ダンタリオンの口々から罵倒の言葉が漏れる。
(ダンタリオン様は時々我らには難解な言葉を使われる・・・意味が分からない・・・たぶん、ダンタリオン様は情報通で我らより非常に頭が良い方に違いない) アリーはそう思った。
「神殺しの剣、ミストルティンの話を聞いたことはないか?」
「そ、それならば名前だけは・・・」
「ミストルティンとはヤドリギのことだ。万物のものに対して、神に危害を加えてはならないと誓いを立てさせた聖母フリッグは、まだ生まれて間もない弱々しいヤドリギにだけは油断してしまい、誓約の対象からはずしてしまった」
「が、そのせいで後にヤドリギの枝が神バルドルの命を奪うことになる」
「ヤドリギは神殺しの剣としてその後の英雄たちにも受け継がれた」
「聖剣ミストルティンはその後行方不明となっていた」
「先ごろ、そのミストルティンの破片のひとつが、精霊となってひとりの人間と接触したことが判明した。スウェーデンのヨーテボリにある森の中での出来事だ」
「我が配下の聖遺物捜索隊の者が偶然その場に立ち合い、目撃して報告してきた」
アリーとケレブは顔を見合わせ驚愕した。
「で、では、我々が捕まえたこの娘は・・・」
ニヤリと笑うダンタリオン。
「そうだ・・・リネアは神殺しの剣を使う術者だ。つまり、悪魔の我々でも正面からは戦えないような危険な存在と言うわけだ」
「いつか役に立つ日が来るだろうと考えて秘密にしておいたのだ」
「あの剣ならば、朽屋瑠子の守護霊のカラスもただではすむまい」
「フフフ」
「アハハハ」
ギリギリと苦虫を噛みつぶしたような表情になるアリーとケレブ。
(だったら先に言ってくれよ!!・・・オレらの部下が大勢死んじまったじゃねーか!!)
・・・・・・・・・・・・
月刊モー編集部員たち一行は、2か月分の特集号を印刷所に入稿し終え、東京駅へと集まっていた。「ぷらっとこだま」を使って格安購入した新幹線チケットで、いざ新大阪行きの『こだまN700系』に乗り込む。
(尚、余談ではあるが「ぷらっとこだま」にはドリンク引換券もついている)
「Oh~これが噂に聞くシンカンセンですか」リネアが子供のように目を輝かせている。
編集長が皆を前に挨拶する。
「いいですか~。席はほぼみんな一緒の並びで取れましたが、貸し切りではアリマセン! そんなお金はアリマセン!! 車内ではお弁当を食べても、お酒を飲んでもいいですが、ハメをはずしすぎて他の乗客の方に迷惑がかからないように気を付けてください! シートを回転させてもいいですが、降りる時にはちゃんと直して降りましょう! いいですか、家に帰るまでが社員旅行ですから、みなさん安全とマナーをお願いしますね!」
「ハ~~~イ」
全員列になって、N700系に乗り込んでいく。
「リネア、見て見て~~」イタズラっぽくリネアを呼ぶ朽屋。
座席下の回転レバーを踏んで、座席をくるりと回転させてみせた。


























kanaです。
久しぶりの朽屋瑠子シリーズは、なんとこれまでの最長22ページに到達してしまいました。
でもたぶん行間も多いし、読めば読めるのではないかと思います。
今回はちょっと笑えるシーン多めですかね。笑ったり、怖かったり、グロかったりしながら、ラストでジーンと来てくれるとイイなと思います。
今、コメント欄はどうも筆者以外の人は書き込めないようになっている感じですが、良いなと思った方はぜひ怖いねボタン押してってください。 ありがとうございました。
kanaです。裏話。
今回タイトルを-事件記者 朽屋瑠子-ではなく、-朽屋瑠子暗殺計画-にしようかと思っていたのですが、忘れてました。忘れてましたがこれでいいです。実はこの-朽屋瑠子暗殺計画-というのは、ウルトラセブンの「セブン暗殺計画」をネタに取り入れようと思っていたからです。なので最初にダンタリオンが朽屋をいろいろ調べるシーンがありますが、あそこはガッツ星人がアロンを使ってセブンをシベ上げるシーンのオマージュにするつもりでした。でも、ガッツ星人にはダン隊員ではなくセブンを暗殺する明確な理由がありましたが、ダンタリオンにはないので、完全オマージュは却下となりました。
後半、九郎とリネアが戦うシーンで、朽屋が「私のために争わないで!!」みたいなセリフを入れようとも考えましたが、まぁ朽屋はそんなこと言わないなとやめました。
それとリネアとのキスシーン。朽屋は感度を上げて調べ上げますが、この時の感度を3000倍にしようかと思ったのですが・・・自粛しました。さすがにそんなにないでしょと。
引き続き、お楽しみください。
↑ シベ上げる× → 調べ上げる〇
応援してます!朽屋瑠子シリーズおもろいです!by読者
kanaです。
22ページ読むのはツライけど、えっちなシーンだけどうしても見たいという御仁は、すべてをすっとばして17ページからお読みください(笑)
↑あー!
読者さんありがとうございます!
一般の方はまだコメント投稿できないのかと思ってました。ありがとうございます〜
全く九郎ちゃんがこんな悪い子だなんて(いいぞもっとやれ)。
いつも通り面白いw待ってました朽屋瑠子シリーズ!、、、いつか小説化しないかな
法王騎士団は大阪府警のマルボウですか?
↑わー、コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです。
マルボウはイタダキました。カチコミの時の「大阪(府警)じゃ!!」と略すんだなーというのが忘れられず。・・・法王騎士団、意外とコワイ。
今回は九郎大活躍ですね。しかも今回は九郎がいなかったら朽屋は死んでたかもしれないですからね。いい仕事と悪い仕事の両方を達成しました。
つなみに、自分の中での九郎は「宇崎ちゃんは遊びたい!」の宇崎ちゃん(胸はないバージョン)で、
リネアはなぜかずっと四国めたんが頭の中にいました。