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kanaさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

【スウェーデンから来た悪魔】ー事件記者 朽屋 瑠子ー
長編 2025/09/23 21:10 11,684view
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「・・・やっぱ気のせいかな・・・」独りごちる九郎。
九郎はリネアと握手をしてから、何かとても気になるものを感じていた。
九郎は元々は暗殺を生業とする家庭に育てられた暗い過去を持つ少女である。
その彼女が、リネアにも何か同じようなニオイをほんのりと感じていたのである。
だが・・・こうしてまるで子供のように美味しそうに食べるリネアを見て、
勘違いだったのかな、と警戒を緩める九郎であった。

「九郎・・・食べないんなら私がもらってあげようか?」と朽屋が手を伸ばす。
「・・・(-_-)・・・・・・バクバクバクバクーーー!!」
「あぁっ!!」 エサの奪い合いに負ける朽屋。

こうして『月刊モー』編集部のお昼は過ぎた。

・・・・・・・・・・・・

朽屋はふと思った。「ねぇ、みどにゃん~。そういえば来月って社員旅行でしょ? リネアさんってどうするんだろ? みんな旅行費の積み立てを給料から天引きされてたじゃない?」

「リネアさんも行くらしいわよ。なんでも自分の分をポーンと全額支払ったって。スウェーデンのお金持ちのお嬢さんなのかしらね」そう、経理事務のみどりさんが教えてくれた。

「へぇ、それはよかった。今度行くところって京都と奈良でしょ?日本の古都なんて、外人さんからしたら大喜びなんじゃないの? あはは」

「朽屋さん、甘いわよ~。ウチの社員旅行は心霊スポットめぐりをするのも忘れちゃダメよ」

「あぁ~~~~~~・・・心配になってきた・・・」

・・・・・・・・・・・・

洞窟のように暗く冷たい場所。
赤や紫、青、緑・・・禍々しい色の光が揺らめいている。
悪魔 ダンタリオンの居城である。

そこにまたライオンの頭を持つアリーと、ドーベルマンの頭を持つケレブが揃っている。

目の前には、棺の中で眠っている『リネア・マヤ・ニストロム』が置かれていた。

アリーが困惑した表情で質問をする。
「ダンタリオン様・・・お教えください。このスウェーデン人の女はいったい何者なのですか?・・・こやつを捕縛するために向かった我が配下の使い魔たちが・・・十数頭も犠牲になってしまいました・・・こやつを捕まえるために、村ごとひとつ眠らせてやっとのことで取り押さえたのです・・・いったい、この娘は・・・?」

「フン、雑魚の使い魔が十数頭ごとき・・・また集めれば良いではないか」
「この女、リネアは、体内にヤドリギの芽を宿しているのだ」
ダンタリオンのいくつもの顔が話し始める。

「ヤドリギの芽・・・とはいったい・・・?」ドーベルマンが怪訝そうに尋ねる。

「なんだ、知らんのか?」
「ググレカス」
「半年ROMってろ」

6/22
コメント(10)
  • kanaです。
    久しぶりの朽屋瑠子シリーズは、なんとこれまでの最長22ページに到達してしまいました。
    でもたぶん行間も多いし、読めば読めるのではないかと思います。
    今回はちょっと笑えるシーン多めですかね。笑ったり、怖かったり、グロかったりしながら、ラストでジーンと来てくれるとイイなと思います。
    今、コメント欄はどうも筆者以外の人は書き込めないようになっている感じですが、良いなと思った方はぜひ怖いねボタン押してってください。 ありがとうございました。

    2025/09/23/22:04
  • kanaです。裏話。
    今回タイトルを-事件記者 朽屋瑠子-ではなく、-朽屋瑠子暗殺計画-にしようかと思っていたのですが、忘れてました。忘れてましたがこれでいいです。実はこの-朽屋瑠子暗殺計画-というのは、ウルトラセブンの「セブン暗殺計画」をネタに取り入れようと思っていたからです。なので最初にダンタリオンが朽屋をいろいろ調べるシーンがありますが、あそこはガッツ星人がアロンを使ってセブンをシベ上げるシーンのオマージュにするつもりでした。でも、ガッツ星人にはダン隊員ではなくセブンを暗殺する明確な理由がありましたが、ダンタリオンにはないので、完全オマージュは却下となりました。

    後半、九郎とリネアが戦うシーンで、朽屋が「私のために争わないで!!」みたいなセリフを入れようとも考えましたが、まぁ朽屋はそんなこと言わないなとやめました。
    それとリネアとのキスシーン。朽屋は感度を上げて調べ上げますが、この時の感度を3000倍にしようかと思ったのですが・・・自粛しました。さすがにそんなにないでしょと。

    引き続き、お楽しみください。

    2025/09/24/18:56
  • ↑ シベ上げる× → 調べ上げる〇

    2025/09/24/18:58
  • 応援してます!朽屋瑠子シリーズおもろいです!by読者

    2025/09/24/20:27
  • kanaです。
    22ページ読むのはツライけど、えっちなシーンだけどうしても見たいという御仁は、すべてをすっとばして17ページからお読みください(笑)

    2025/09/24/22:58
  • ↑あー!
    読者さんありがとうございます!
    一般の方はまだコメント投稿できないのかと思ってました。ありがとうございます〜

    2025/09/25/11:54
  • 全く九郎ちゃんがこんな悪い子だなんて(いいぞもっとやれ)。

    2025/09/26/02:17
  • いつも通り面白いw待ってました朽屋瑠子シリーズ!、、、いつか小説化しないかな

    2025/09/26/11:17
  • 法王騎士団は大阪府警のマルボウですか?

    2025/09/26/17:44
  • ↑わー、コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです。
    マルボウはイタダキました。カチコミの時の「大阪(府警)じゃ!!」と略すんだなーというのが忘れられず。・・・法王騎士団、意外とコワイ。
    今回は九郎大活躍ですね。しかも今回は九郎がいなかったら朽屋は死んでたかもしれないですからね。いい仕事と悪い仕事の両方を達成しました。
    つなみに、自分の中での九郎は「宇崎ちゃんは遊びたい!」の宇崎ちゃん(胸はないバージョン)で、
    リネアはなぜかずっと四国めたんが頭の中にいました。

    2025/09/26/21:17

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