想定外の事態に「ハッ!」驚いて一瞬後ろに引くリネア。
せっかく朽屋に甘えてべったりとくっついて楽しんでいた九郎は、突然邪魔が入って驚いた。
見るとリネアが何か武器らしきものを持っている。
さすが元殺し屋の本能か、九郎の動きは早かった。
枕を投げつけ、相手がひるむと今度は布団を投げ、一瞬視界を奪う。
その隙に九郎は愛用するバタフライナイフを取り出す。
(チャキチャキチャキ)と音を立て、バタフライナイフの刃が現れる。
九郎のバタフライナイフは波を打って蛇行しており、年輪のような縞模様が刻まれている。
いわゆるダマスカス鋼と呼ばれる錆びない鋼で作られている。
渋谷あたりで活動している半グレ集団も、このナイフを見るだけで震え上がるという。
怒りに満ちた表情で九郎に襲い掛かるリネア。
ミストルティンの針が九郎に迫る。
キンと激しい金属音をさせながら、九郎のナイフがミストルティンの針をはじく。
「リン! どうしたんだよ!ナニしてんだよ!」九郎が叫ぶ。
やっと冷静に状況を分析するが、さっきまで仲良くおしとやかに過ごしていたお嬢様が、
今、目の前で鬼の形相で武器を持って攻撃をしかけてきているのだ。
九郎にはまったく理解が追い付かなかったが、このような修羅場は慣れていた。
仲間が突然裏切ることも、寝ているところを襲われるのも、慣れていた。
格闘でも剣術でも九郎が一枚上手、しかも神殺しの剣ミストルティンは、人間の九郎相手にはその真価を発揮することが出来ずにいた。
「ちょっと・・・二人とも何してんだよ!!」騒ぎに朽屋が起き出した。
「あっ、姐さん気を付けて! リンのやつ、武器を持ってます!」
「えっ!・・・リネア!?・・・いったいなんでこんなことになってるんだよ?」
やぶれかぶれで朽屋を襲おうとするリネア。が、その前に立ちはだかって針をはじく九郎。
「たぶん・・・たぶん・・・」九郎が言いよどむ。
「たぶん・・・何?」汗がしたたる朽屋。
「リンが姐さんを襲おうと布団に忍び込もうとしたら・・・ボクが先に姐さんを襲ってたから嫉妬で怒ってるんですよ!!」
「へっ?」白目になる朽屋。
(どうりで、胸の上に猫が昇ってきて重苦しい~って夢を見ると思ったら、おまえだったのか九郎~~~~!!)























kanaです。
久しぶりの朽屋瑠子シリーズは、なんとこれまでの最長22ページに到達してしまいました。
でもたぶん行間も多いし、読めば読めるのではないかと思います。
今回はちょっと笑えるシーン多めですかね。笑ったり、怖かったり、グロかったりしながら、ラストでジーンと来てくれるとイイなと思います。
今、コメント欄はどうも筆者以外の人は書き込めないようになっている感じですが、良いなと思った方はぜひ怖いねボタン押してってください。 ありがとうございました。
kanaです。裏話。
今回タイトルを-事件記者 朽屋瑠子-ではなく、-朽屋瑠子暗殺計画-にしようかと思っていたのですが、忘れてました。忘れてましたがこれでいいです。実はこの-朽屋瑠子暗殺計画-というのは、ウルトラセブンの「セブン暗殺計画」をネタに取り入れようと思っていたからです。なので最初にダンタリオンが朽屋をいろいろ調べるシーンがありますが、あそこはガッツ星人がアロンを使ってセブンをシベ上げるシーンのオマージュにするつもりでした。でも、ガッツ星人にはダン隊員ではなくセブンを暗殺する明確な理由がありましたが、ダンタリオンにはないので、完全オマージュは却下となりました。
後半、九郎とリネアが戦うシーンで、朽屋が「私のために争わないで!!」みたいなセリフを入れようとも考えましたが、まぁ朽屋はそんなこと言わないなとやめました。
それとリネアとのキスシーン。朽屋は感度を上げて調べ上げますが、この時の感度を3000倍にしようかと思ったのですが・・・自粛しました。さすがにそんなにないでしょと。
引き続き、お楽しみください。
↑ シベ上げる× → 調べ上げる〇
応援してます!朽屋瑠子シリーズおもろいです!by読者
kanaです。
22ページ読むのはツライけど、えっちなシーンだけどうしても見たいという御仁は、すべてをすっとばして17ページからお読みください(笑)
↑あー!
読者さんありがとうございます!
一般の方はまだコメント投稿できないのかと思ってました。ありがとうございます〜
全く九郎ちゃんがこんな悪い子だなんて(いいぞもっとやれ)。
いつも通り面白いw待ってました朽屋瑠子シリーズ!、、、いつか小説化しないかな
法王騎士団は大阪府警のマルボウですか?
↑わー、コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです。
マルボウはイタダキました。カチコミの時の「大阪(府警)じゃ!!」と略すんだなーというのが忘れられず。・・・法王騎士団、意外とコワイ。
今回は九郎大活躍ですね。しかも今回は九郎がいなかったら朽屋は死んでたかもしれないですからね。いい仕事と悪い仕事の両方を達成しました。
つなみに、自分の中での九郎は「宇崎ちゃんは遊びたい!」の宇崎ちゃん(胸はないバージョン)で、
リネアはなぜかずっと四国めたんが頭の中にいました。