「それでは、行ってまいりますダンタリオン様」
アリーは考えていた。
(ゲスなやり方だぜ・・・。悪魔の中には騎士も多い。騎士らが聞いたらきっと憤慨するぜ」
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寝静まる京都の旅館。
「うぅ~ん・・・」
朽屋瑠子は寝苦しいのか、暑いのか、何かうなされながら眠っていた。
もしかしたら、これから起こる悪夢を予感したのか・・・。
突然むっくりと起き上がるリネア。
何を思っているのか、上半身だけを激しく揺り動かしている。
不気味な動きだ。・・・やがてカッと目を見開く。恐ろしい眼力。眉間にはシワが寄り、オドロオドロシイ殺意がみなぎってくる。
スッと立ち上がり、朽屋の眠る布団を見る。
(シュピン!!)と、何か鋭い金属のしなる音がした。
見るとリネアの右手の甲のあたりから、まっすぐ一本の針のようなものが飛び出していた。
長さは25センチほど。これがリネアの持つ神殺しの剣と呼ばれたミストルティンの正体だった。剣と噂されてはいたが、実際には中指をそのまま伸ばしたような針であった。
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過去、まだリネアが幼いころ、スウェーデンの森の中、湖で遊んでいた時のこと。
裸足で湖水の中を歩くリネアは何か鋭いものを踏んでしまい、ケガをして血が流れる。
なにかと思って拾ってみると、それは薄い石のカケラのようなものであった。
リネアはそれをキレイだと思って見ていたが、やがてオレンジ色っぽく光りだした。
リネアの中に声が聞こえてくる。周りには誰もいないのに・・・
(私はミストルティン。永い眠りについていた者。・・・今、あなたの血によって再び命が吹き込まれた) ・・・こうしてリネアとミストルティンは契約を結んだ。
リネアは自分の右手から伸びる不思議な針のことを調べているうちに、インプラント工学やトランスヒューマニズムに興味を持ち、その道の研究のために大学へ入った。
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朽屋たちの眠る部屋。
針の出た右手のこぶしを上げ、今まさに朽屋の寝ている布団に手をかけた。
布団をはぎ、この針で心臓を一突きすれば、それで作戦はすべて終わる。・・・はずだった。
バッと布団をはいでみると、そこには大の字で眠る朽屋と、まるで木につかまるコアラのように朽屋に抱き着く九郎がいた。
























kanaです。
久しぶりの朽屋瑠子シリーズは、なんとこれまでの最長22ページに到達してしまいました。
でもたぶん行間も多いし、読めば読めるのではないかと思います。
今回はちょっと笑えるシーン多めですかね。笑ったり、怖かったり、グロかったりしながら、ラストでジーンと来てくれるとイイなと思います。
今、コメント欄はどうも筆者以外の人は書き込めないようになっている感じですが、良いなと思った方はぜひ怖いねボタン押してってください。 ありがとうございました。
kanaです。裏話。
今回タイトルを-事件記者 朽屋瑠子-ではなく、-朽屋瑠子暗殺計画-にしようかと思っていたのですが、忘れてました。忘れてましたがこれでいいです。実はこの-朽屋瑠子暗殺計画-というのは、ウルトラセブンの「セブン暗殺計画」をネタに取り入れようと思っていたからです。なので最初にダンタリオンが朽屋をいろいろ調べるシーンがありますが、あそこはガッツ星人がアロンを使ってセブンをシベ上げるシーンのオマージュにするつもりでした。でも、ガッツ星人にはダン隊員ではなくセブンを暗殺する明確な理由がありましたが、ダンタリオンにはないので、完全オマージュは却下となりました。
後半、九郎とリネアが戦うシーンで、朽屋が「私のために争わないで!!」みたいなセリフを入れようとも考えましたが、まぁ朽屋はそんなこと言わないなとやめました。
それとリネアとのキスシーン。朽屋は感度を上げて調べ上げますが、この時の感度を3000倍にしようかと思ったのですが・・・自粛しました。さすがにそんなにないでしょと。
引き続き、お楽しみください。
↑ シベ上げる× → 調べ上げる〇
応援してます!朽屋瑠子シリーズおもろいです!by読者
kanaです。
22ページ読むのはツライけど、えっちなシーンだけどうしても見たいという御仁は、すべてをすっとばして17ページからお読みください(笑)
↑あー!
読者さんありがとうございます!
一般の方はまだコメント投稿できないのかと思ってました。ありがとうございます〜
全く九郎ちゃんがこんな悪い子だなんて(いいぞもっとやれ)。
いつも通り面白いw待ってました朽屋瑠子シリーズ!、、、いつか小説化しないかな
法王騎士団は大阪府警のマルボウですか?
↑わー、コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです。
マルボウはイタダキました。カチコミの時の「大阪(府警)じゃ!!」と略すんだなーというのが忘れられず。・・・法王騎士団、意外とコワイ。
今回は九郎大活躍ですね。しかも今回は九郎がいなかったら朽屋は死んでたかもしれないですからね。いい仕事と悪い仕事の両方を達成しました。
つなみに、自分の中での九郎は「宇崎ちゃんは遊びたい!」の宇崎ちゃん(胸はないバージョン)で、
リネアはなぜかずっと四国めたんが頭の中にいました。