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呪い・祟り

SNNNさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

たたりもっけ
長編 2025/08/05 14:18 5,435view
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逃げられたと思っていた。
けど実際は違った。
あいつらはずっと俺らの事を見ていたんだろう。
あの日の腐敗臭まで思い出し、俺はその場で吐いた。

以上がこの話全体のあらましだ。

嫁さんがさ、俺に言うんだ。
「この子は産んであげなくちゃいけないの。

二回も死ぬなんて、可哀想でしょう。
私だけがこの子のお母さんなのよ……」
自分で自分に言い聞かせてるように感じたよ。

優しさというより、諦めみたいなそんなものを感じた。目の焦点もあってなくてな。最近は会話も噛み合わなくなってきた。

おかしくなったのは嫁さんだけじゃない。

あのエコーを見て以来、耳もとがうるさいんだ。

あいつらの声がずっと耳の奥で響いてる。

「うんでくれてありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう………」って

嫁さんの出産の日。

耳もとの声は止んだ。静かになった。

分娩室のドア越しに助産師の絶叫が響く。

それと同時におれはあの日の「産声」を聞いた

ああ、やっぱり来たんだ。

産まれてしまったんだ。

俺はまだ”それ”に会えていない。

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