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呪い・祟り

SNNNさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

たたりもっけ
長編 2025/08/05 14:18 5,429view
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自分の気持ちを整理するためにこうして、文章に書き起こしている。わけあって耳が今痛い。ってか騒がしくてな。そんなわけで、集中して書ける状況にないから誤字があったら教えてくれ。

社会人になって結婚し、今年で5年目。
ようやく子どもを授かることが出来て、まさに人生の絶頂期といって差し支えないだろう。
嫁さんも順調にお腹が大きくなってきて、俺は毎週末の検診について行っては将来の夢を膨らませていた。

でもその夢ももう叶わないかもしれない。

どこから話すべきか…。
あれは大学2年の夏だった。
大学生ってのはどいつもこいつも恋愛脳で、今まで彼女が出来たことのなかった俺でもサークル内の女子と付き合うことができた。その彼女ってのがさっき書いた俺の嫁さんだ。

俺らが所属してたサークルってのは、いわゆるダミーサークルというやつで所属する各人が物置として使ったり、ゲーム部屋として入り浸ったりと自由に使っていた。サークル内の仲も良く、週末にはメンバーでしょっちゅうカラオケに行っていた。

そんなサークルで夏のイベントとして肝試しをしたんだ。俺と、嫁さんと、その他3人の計5人で大学の近くの神社に行くことになった。その神社ってのがオカルト好きの間でも有名な〇〇神社(ググれば今でも出てくるからここでは伏せる)。地元では”たたりもっけ神社”として、知らない人はいないほど有名な心霊スポットだった。

つっても神社には何回か行ったことがある。
その神社ってのは俺が通ってた小学校の裏山を入ってすぐの所にあって、ガキの頃は公園がわりにしてよく使ってた。
でも、幽霊なんて一度も見たことがない。
俺にとってその神社は、ただ噂ばかりが一人歩きしている、整備もされていない古い神社って印象だったんだ。
だから怖いのが苦手な俺でも肝試しに参加出来たんだ。

大学生ってのは恋愛もそうだがフットワークも軽いもんで、その日のうちに肝試しを実施することになった。

昼の暑さはどこへやら。Tシャツでも少し肌寒かったのを覚えている。虫たちの鳴き声、葉が落ちる音、自分の鼓動。
人がいないせいか普段は聞こえない音まで鮮明に聞こえた。

深夜1時、俺らは車に乗って神社に向かった。
俺が車を運転して、助手席には嫁さん、後ろの席には残りの3人を乗せてたわいもない会話をしていると、あっという間に目的地の裏山に着いた。

神社はここから5分程度歩いた先の山の中にある。
俺らは適当な所に車を止めて山に入った。
前日の雨のせいだろうか。土は湿ってぬかるんでいた。俺らが歩くたび街灯から遠ざかり、森は暗さを帯びていった。入口からまっすぐいった所に神社があったおかげで、俺らは暗闇の中でも迷うことなくたどり着けた。

十数年ぶりに訪れた神社は思い出にあったそれよりも、さらにボロくなっていた。

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