ですが、枠に隙間が無いのか取っ手は周るけど動きません。
工作室からドライバーやトンカチを持って来た子が隙間を叩いたり差し込んだりして
ようやく扉が少し前に出て来ました。
「なんか臭いぞ」「本当だ・・」ゴムの焼けたような匂いが扉の隙間から出てくるのです。
ドライバーを差し込んでグイグイとこじ開けました。
二人がかりで扉を引きます。
子供が二人は入れるほど開きましたので、一人が懐中電灯で中を照らそうとすると
「お・・〇✖」と言う小さな声が聞こえて、全員が走り出して逃げ出しました。
「声が聞こえたよな」「聞こえた」「女の子みたいな声だった」と全員で怖がっていましたが
下駄箱とか元に戻さないと先生に怒られるぞ。と言うことになり、またも扉の前まで全員で
行くのです。なにも聞こえませんので誰かが「きっと隙間風を通る空気の音だった」と言うと
「そうだろう」と全員で思い込んで、そうなるとこの探検の続きがしたくなるのです。
扉は変わらずそのまま、でしたので懐中電灯を持った三人が隙間から入り込む事になりました
扉を入ると通路など無くて、2mほど先に木枠があり、小さな部屋になっていたのです。
「火鉢が真ん中にあるぞ」「座布団もある」「カビクサイ・・」と声が扉の外で待つ子たちに
聞こえてきます。
座布団が沢山ある・・と言う声の後に「ぎゃあああ」と聞こえて三人が扉から飛び出して
来たのです。
そのまま、両手をふりあげて走って行ってしまいました。
「なんだ?」「なんか出たのか?」と残っていた扉の外の子たちは、扉を開けたまま、下駄箱
を動かして塞いだあとに教室に戻りました。
三人は窓側に固まっていました。懐中電灯を点けたままです
「なに、逃げてんだよ」と数人が怒ると「すごいの見た」「お化けだ」と言うのです。
三人に中の絵を書かせたのです。「ここに火鉢があったんだ」「こっちに座布団が積んであって」
「どんな座布団だろうと一枚取り出したんだよ」「そうしたら積んであった座布団の下から
「おみず」て声が聞こえて照らしたら手が出てきたんだよ」と言うのです。
怖がる子もいましたが、それ見たいと言い出す子もいて。
全員で相談して先生に言うことにしました。
先生はこの部屋の事をいろいろと調べてくれました
結論は 校舎の階段下に作られた防空壕 と言う事でした。
























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