奇々怪々 お知らせ

華 木耳さんによるにまつわる怖い話の投稿です

成人の儀
長編 2025/04/08 18:13 6,169view
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俺が恐怖のあまり固まって立ち尽くしてると

その何者かはお札のような者でぐるぐる巻きになった頭を近づけ

こちらの様子を伺っているようだった。

必死で息を整え目の前のそれを見続けると、それはどうやら

白装束のようだった。

手足もある上に長く乱れた髪まで生えている。

少し動けるよになり一歩ずつ後ずさりするも

襲ってくる気配はなく、ただ俺のことを見ているようだった。

俺は目の前のそれが思ったほど危険ではないと判断して

そっと戸を閉めようとした。

しかし、戸に手をかけた瞬間白装束のそれは

俺の腕を掴みそのまま小屋に入ってきた。

先ほどは違い目の前のそれからは異様な匂いと殺気が感じられた。

じっとしている俺を両手で掴むと、ゆっくりと持ち上げ床に寝かせる。

そこからは恐怖とあまりの異様さで気を失っ他らしく

その先の記憶がぼんやりとしている。

目をさますと昨日泊まった離れの小屋の中で、室内には

特に異変もなく昨晩感じた異様な匂いも感じず

あたりはうすっらと日が差していた。

荷物をまとめていると戸が叩かれ、出ると家主の男性だった。

昨日は遅くまで付き合わせて悪かったなと謝りながらも、

朝飯できてるから身支度が済んだら来るようにとのことだった。

家主とテーブルを囲み朝食を食べつつ、

ふと昨日のことを思い出しながら部屋の中を見渡す。

家主から『なにか気になるかい?』と聞かれ

昨日のことを少し話した。

するとそれまでにこやかだった家主はすっと無表情になり

『長らく男日照りだったからな…悪いがもう一晩泊まってけ』

と言われた。俺は家主の異様な雰囲気に断れず、

その日も離れに泊まった。

4/5
コメント(1)
  • 思った以上に怖くないです

    2025/04/28/14:46

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