母は昔から教会に通っていた。
熱心な信者で周りからも一目置かれる存在だった事もあり、
私もよく連れて行かれては、信者の方にお世話になった。
私が中学に上がった頃、報告もかねて教会に行き
新たな環境への不安や将来の夢などについて神父様に
懺悔室で相談にのってもらっていた。
神父様はいつも優しい声で静かに相槌をうちながら
『心配ありませんよ、あなたには私や神様が付いておられます。
ちょっとしたことでも気になるのなら…いつでも来なさい。』
と言ってくれた。
それから数年して私は教会にあまり行かなくなっていた。
母は相変わらず熱心に通っていたそんなある日、神父様が逮捕された。
なんでも信者から多額のお布施を巻き上げていた上に
信者数名と男女の関係をもっていたのだとか。
子供の頃あんなに通っていた場所でそんなことが
起きていたとは1ミリも知らなかった私は
母を問い詰めた。
すると、最初こそ黙っていた母だったが
徐々に口を開き話し始めた。
「お布施については、私も知っていた事。
ただ教会のためだと、もっと信者を増やすためだと
神父様から言われていたから…信じてしまっていた。
それに関係をもつことも信者への奉仕活動だと
目を瞑ってくれと言われて、熱心な私にお金を握らせていたの。
いけない事とはわかっていたけど、私も信者を集めた側として
放り出す事もできなかったの…。」
母の告白にかなりショックを受けつつも、私はもう教会に行く事のない母へ
少しばかり安堵していた。
それから数日のうちに警察からも取り調べを受けたが
母も私も知らぬ存ぜぬで通し、罪に問われる事はなかった。
























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