真夜中、コンビニエンスストアの閉店作業をしていた若い店員、隆司。店舗は24時間営業ではなく、閉店時間が深夜1時と決まっていた。深夜1時ちょうど、最後のお客さんが店を出ていき、彼は店内の掃除や翌日の準備に取り掛かっていた。
時計を見ると1時半を過ぎていた頃、なぜか入口の自動ドアが突然開いた。何も映っていないのに、ドアセンサーが反応したようだ。少し不気味に思いながらも、故障だと自分に言い聞かせ作業を続ける。
しかしその後も、自動ドアは数分おきに開閉を繰り返す。隆司がドアのセンサーをチェックしに行くと、ドアの前には何もいない。けれども、閉まりかけたドア越しに、なぜか誰かが立っているかのような気配を感じた。
気味が悪くなりながらも閉店作業を急ぎ、最後にレジを締めようとしたその瞬間、レジの画面に「エラー」と表示された。通常なら見ないメッセージだった。
画面をじっと見つめていると、突如その表示が消え、レシートが出てきた。何も操作していないのに勝手に印刷されたそのレシートには、大きな文字で「ご利用ありがとうございました」とだけ書かれていた。
驚いた隆司は、そのレシートを手に取りしばらく見つめていたが、背後から急に冷たい風が吹き抜けた。振り返ると、棚の隙間や通路のあちこちに「何か」が立っているように見えた。しかしそれが人かどうかはわからない――ただ、無数の黒い目だけが彼を見ていた。
「次は、あなたの番です。」
聞こえた声は誰のものなのかもわからない。身体が動かなくなるほどの恐怖の中、隆司の視界はゆっくりと暗転していった。
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