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呪い・祟り

solsolさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

死
短編 2025/03/01 15:33 1,111view
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 私の友人の親戚で、かつてオカルト活動をしている人がいました。仮にその人をAさんとします。友人をたどって聞いたAさんの話です。

 Aさんはオカルト活動の中でも『見たら死ぬ』『聞いたら死ぬ』といった死に触れるような怪談、または曰く付きのものを収集するのにはまっていました。特にこれと言って死に直面するようなことなど起きるわけがないと思っていたようです。しかしAさんは曰く付きのものがそんな生易しいものではないことを痛快させられました。

 Aさん(当時32歳)には行きつけの中古品店がありました。そこの店主さんは霊感持ちで、商品が曰く付きかどうか分かるようで店の商品棚の中には曰く付きの物と書かれた棚もあり、曰く付きの物もまとめて売っていました。その日もAさんは曰く付きの商品が揃った棚から危険な目に遭いそうな物を探していると、ふとあるDVDディスクが目に止まりました。手に取ってみると、『見たら 死ぬ』とまるっきりAさんの気を引くワードが書かれてありました。やったと思いつついつもお世話になってる顔見知りの店主の元へ持っていくと、みるみるうちに顔が曇り『ここに…あったんだ…』ぼそりとつぶやきました。Aさんは店主の言葉に対しどういうことか、このディスクがどういうものかを聞いてみました。以下は店主の実体験のようです。

 店主が大学生だった頃、喫茶店の中で店主の友達のD君に中古品店で見つけたDVDディスクを紹介したことがありました。タイトルは『見たら 死ぬ』というもの。暇な時、歩いていたらたまたま見かけた中古品店の中で、何か面白いものはないか探していた時に見つけたもののようでした。店主による紹介を聞いたD君は『悪いけどそれ早速俺に貸してくれ』と言っており、店主は『映像の内容を事細かく俺に紹介する事』と条件をつけたうえでD君に貸しました。

 家に帰るとD君から携帯にメールが届いており、どうやら早速『見たら 死ぬ』のDVDを観たようでその内容がメールで紹介されてました。内容というのは以下の通りでした。

−映像出てきた!誰かが寝室のベッドで寝てる。部屋の電気は消えてて、輪郭だけが見える感じ。−

−手が出てきた!寝ている人の手じゃない。何者かの手だけが浮いて出てきた。−

−なんだこれ気味悪い。出てきた1つの手が寝てる人の首元を押さえつけ始めた。−

−本当に気味悪い!首押さえつけられてる人が機械の動作音とでもいうのか、とてつもなく低い抑揚のない声をあげてる。
一定間隔で「ん゙んー ん゙んー 」って−

 そこでメールは終わっていたんです。一通り読み終わった時、電話がかかってきました。D君からでした、着信を出るとD君はひどく怯えきった様子で『助けて!今画面が静止してる!それもさっきまで暗がりにいてわからんかった首絞められている人の顔がテレビいっぱいに映し出されてて、白目になってそこから血がでてる!しかもずっと「ん゙んー」って抑揚のない低い声が続いてる!怖いからとりあえず来てくれ!』と言っていました。

 その後急いでD君の住むアパートの自室へ向かうとD君は布団にくるまってテレビに背を向けてました。『テレビの電源ついてないよな?』怯えきった様子で聞くD君についてないと答え、怖いから今日は夜までいてほしいというD君の要望に応えることにしました。

 迎えた夜、おびえきっていたD君も精神的に疲れたのでしょう。早めに眠ってしまったようです。店主も眠りについて、砂嵐の音で目が覚めました。気づくと寝る前に消えてるか確認したテレビがついて、しかも砂嵐を映し出していました。ふとD君の方を見て、絶句しました。

 砂嵐の光に照らされた真っ黒い手がD君の首元へと伸びていました。強く首元を締め付けられている中、ざーっと鳴り響く砂嵐の音に混じってD君から「ん゙んーん゙んーん゙んー」

と機械音声とも似つかない低く抑揚のない声が発せられていました。砂嵐の光で照らされたD君の顔を見ると、目は白目になっており血が流れているではありませんか。恐怖のあまり店主は部屋から飛び出そうとしました。しかしドアが開きません。何度ドアドアノブをひねってもドアが開かずパニックになりました。ふと砂嵐の音もD君の不気味な唸り声も止んだと思ったらあっけなくドアが開きました。外に出ようと思ったその時誰かに肩をつかまれて振り返ると、そこには白目を向いて血を流したままのD君が立っており、あの低い声で「どこへいくの」と言いました。

 そこからの記憶は朧げで店主は必死にアパートから逃げ出して気づけば家にいました。その後、アパートの自室の玄関で倒れていたDが発見され死亡が確認されました。死亡する前に一緒にいた店主は事情聴取されるも有益な情報もなく、事件としても事故としても片付けられないままだそうです。

 D君の死からしばらくは、例のDVDディスクは店主のもとにありました。まるで次はお前の番だとでもいうように。それは、店主が持ってきたわけではありません。気づけば家のテーブルに置かれていたそうです。

 店主は言いました。『その後近くの神社で引き取ってもらってお焚き上げしてもらったんだ。してもらったはずなのに…』
ーなぜここにあのDVDディスクがー
沈黙の後の言葉はAさんも容易く想像できてしまったようで、手に持っているDVDディスクを棚に戻しました。あの時もう一度神社に持っていけばよかったのかもしれませんが、再び戻ってきそうで無意味に思えてならなかったのかもしれません。

 その日以来Aさんは『〇〇したら 死ぬ』
といった物には手を付けなくなりました。

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コメント(4)
  • よく考えたら人間にもまだ寿命というものがあるから「○○したら死ぬ」 に関わらなくても結局死ぬ( ゚□゚)

    2025/03/01/20:03
  • 意味がよくわかりませんでした

    2025/03/04/10:17
  • 怖すぎる

    2025/03/07/14:16
  • ?

    2025/03/11/14:50

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