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心霊

solsolさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

どこから
短編 2025/02/25 08:38 751view
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大学生のNさんから聞いた話。Nさんが高校を卒業した数日後、友達と旅行に出かけその先であるホテルに泊まりました。

 午後7時頃、2人同じ部屋で自分らの荷物を整理していた時Nさんは疲れがどっと噴き出し耐え難い睡魔に襲われました。

 『歩きまくって疲れたから悪いけど先に寝させてくれ』と言って友人の顔をみると、友人も疲れていたのか私の方を見てぼーっとしていました。『おい、聞いてるか』とNが問いかけると友人は『あぁ、すまんすまん。疲れたろう。ゆっくり休め。』そう言って再び手を動かして荷物を整理していました。

 突如として目が覚めました。部屋の電気は消えていて辺りは真っ暗で時間が確認できません。再び寝ようとした時、布団の上から左脇腹をトントンと叩かれました。私はふと友人の方をみましたが、友人は布団をかぶっていました。Nさんは友人がいたずらでトントンしたのか、寝てるか確認しようとしてトントンしたのかどちらかだと思っていました。私は無視を決め込みました。すると再び左脇腹をトントン、と叩かれます。

 段々と叩く回数が増えてきて強さも段々と強くなってきます。流石にムカついたNさんは目を開くと、視界の端左側に手が見えました。我慢の限界になったNさんは重たい体を何とか動かして友人を揺さぶり起こし、『いい加減にしろ、何がしたいんだ』と怒りました。友人は何のことだと言うのでNさんは『とぼけるな。ずっとオレを叩いて。』と言うと友人は何もしゃべらなくなりました。

 友人は電気をつけ、Nさんに真剣な眼差しで『俺がどうしてお前を叩けるんだ。』と静かに言いました。『だって…』Nさんが反論しようとしたところ、言葉が突如として止まりました。Nさん自身も気付いてしまったのを知ってか知らずか友人は続けました。『Nのベッドと俺のベッドの間、かなり間が空いているのにどうしたらNの右側のベッドに仰向けになったままNの左脇腹辺りを叩けるんだ』と。Nさんは頭が冴えてきて叩いていた手が友人のものでないことを認識しました。では誰の手だ。

 その時朧げな意識の中で視界の端に映った左側の手を思い出してNさんは左側へゆっくりと視線を傾けるとそこは壁があるのみでした。人が入れるようなスペースも無い程Nさんのベッドと壁がくっついてるのにどこから手が出てきているのでしょう。友人は後にこうも語りました。『お前が寝させろと言った時、お前の両肩を両手がつかんでた。』と。そして『ベットに背中をつけて寄りかかってたのにどうしたらお前の肩に手を乗せられるんだ。』と。友人はぼーっとしていたのではなく見えていたのです。

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