私の叔父は、かつて怪談を収集したりしていたSさんという方と知り合いでした。この話は叔父をたどってSさんから聞いた話です。
Sさんはかつてオカルト活動に興味がありよく怪談を聞いたり、話をしたりしていました。そんな中ある怪談師Оさんと知り合い、Оさんの弟子として日常を共にしていました。ОさんはSさんをも上回るくらいオカルト好きで、怪談を収集したり話したりする他にも呪物を持ち歩いたり、心霊スポットに行って幽霊を呼び出す儀式的なことを常日頃からするような人でした。
Оさんは常に心霊現象を期待しており、心霊現象が起きてほしい故にオカルト活動にすべてを捧げているような人でした。SさんはОさんと共にいるとやはりというべきか段々と心霊現象に遭遇していくようになりました。最初は幽霊の声が聞こえる程度でしたが次第にはSさんОさん2人して霊の姿も見えるようになっていました。
今思えば本当に異常だったでしょう。Оさんは心霊現象が起こるたびに興奮しだし、あげくの果てには『もっとこい』と言う様にまでなってました。最初の心霊現象から3ヶ月程経った頃でしょうか。SさんはОさんの体がやつれていってることに気づきました。そんな中でもОさんはオカルト活動をやめることもなくむしろ積極的になっていった方でした。
やつれ具合が少し恐ろしく感じたSさんはОさんに一度だけお祓いに行ったほうが良いのではと提案をしようとしていたみたいです。直感的になんか引っ張られでもしているのではと思ったとのことです。しかしながら心霊現象が起こるたびに興奮するОさんの姿を思い出すと、お祓いなんて言えばОさんに拳を振るって拒否されそうと思ってしまい言い出すことができなかったそうです。
そんな中Sさんのもとに父の訃報が飛び込んできました。1カ月程地元のN県に帰らないと行けない旨をОさんに伝えるとОさんは快く承諾してくれました。そんな承諾もありがたいものではなく、Sさんが地元にいる間Оさんの様子が見れない心配が心のなかにありました。そして地元に帰ったSさんは父の葬儀にでて1カ月を地元で暮らしました。Оさんとはメールで連絡を取り合ったりしていました。Sさん曰くОさんが心霊現象によって心身が本当に狂ってしまっていないか心配でたまらなかったようです。
そんな心配の中1カ月が過ぎ、Sさんはこれからそちらに向かう旨のメールをОさんに送りました。Sさんはさらに不安にかられました。いつもは遅くとも30分以内に返信をしてくれるようなОさんでしたが、待てど待てど返信が来ません。Sさんは急いでОさんの自宅へ向かいました。
Оさんの暮らす古い木造住宅に着いたSさんは扉に手をかけてゆっくりと開けました。あっけなく開いた扉の隙間から覗いたその時、いいしれぬ雰囲気に押しつぶされそうになりました。家に全体的にどす黒いモヤがかかったようでそのモヤに混じって魚が腐ったようなとんでもない匂いがSさんの鼻を刺激しました。そんな事も構わずこれではまずいと思ったSさんは服の袖で口を覆いながら家中Оさんの名を呼び周りОさんを探します。一番奥の部屋にたどり着くと覚悟を決めて襖を開け放ちました。
呪物に囲まれて背を向けてОさんは座っていました。体形が太めだったОさんは見る影もなくやせ細り、顔色はまるで死人のようでした。ОさんはSさんの方に振り返り落ち窪んだ目でSさんを見て口角を上げ『おかえり』とだけいいました。Sさんは急いでОさんの腕を引き家の外に出て、タクシーを捕まえました。向かった先は心霊番組に出演するたびにお世話になっていた霊媒師の自宅です。Sさんがインターホンを押してしばらくすると、『どうぞお入りください』と声がした。Оさんの片腕を引っ張って玄関に入ると目の前に霊媒師が立っていました。
霊媒師は2人を見て目を見開き、顎が外れんばかりに口を開け、いかにも驚愕の表情を作っていました。Sさんは事情を話しました。Оさんがどうなっているのかわからない恐怖で上手く言葉が回らない中で、やたらと心霊現象を求めてオカルト活動にのめり込んでいったこと等洗いざらい話しました。
しばらく間が空いて霊媒師から発せられた一言にSさんは困惑を隠しきれません。『引きずり込まれたんか…』Sさんはどういうことか問い詰めると『残念やけど、彼はもうあっちの人間になっとるわ。心霊現象を求めてオカルト活動にのめり込んだやないか。怪異に触れすぎて怪異に飲み込まれОさん自身が怪異になったんやで。』その言葉を聞いた後Sさんは恐る恐るОさんの方をみると、もうそこにはОさんと呼べる人はいませんでした。ボテっと言う音で眼球は抜け落ち、そこからウジ虫がチョロチョロとのぞいていました。顔の穴という穴から血液がドロドロ流れ出し玄関が真っ赤に染まります。服はあちこちに穴が空いており穴の周囲は血に染まり、ところどころ肉がえぐれて骨がのぞいていました。そのモノは赤子の鳴き声をいっそう低くして重ねたような声でアァ〜アァ〜と声を発していました。
Sさんは恐怖のあまり失神してしまったためその後どうなったのから後ほど知ったそうですが霊媒師によってそのモノは清められ、霊媒師によってSさんはSさんのマンションの自室まで送られました。Оさんの死体は見つかることなく、警察も事件としても事故としても処理できないとしてお手上げになっていました。その日以来Sさんはオカルト活動に一切手をつけなくなりました。もしもう一度手を付けたら自分もОさんの様に『引きずり込まれる』かもしれないからだそうです。今Sさんは実元に帰省し地元の企業で働いているそうです。
途中、主語に「Sさん」と「私」が混在して読みづらかったです。
怖すぎます。
( ゚д゚)
著者です。主語が『私』と『Sさん』が混在してしまっていたようです。訂正を致しました。私が叔父をたどってSさんから聞いた話です。よって主語は『Sさん』です。混乱を招いてしまい申し訳ございません。
なんか「腐敗した状態の霊が出た」 「死体から音が出たり動いたりした」という怖い実例はあったらしい。実際に霊障なのか「オカルトな魔界に取り込まれた」のかは不明だが「呪物収集を趣味にしてる人が年中体調不良」なんてのはTVで報告例あり
OさんはOさんじゃないなにかになたのに、Oさんじたいのしたいがみつからないのがこわい
怖いですね…😨
やばい
こっわ!