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kanaさんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

【帰還】-事件記者 朽屋 瑠子-
長編 2025/01/19 00:28 2,333view
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「ユー、オキナワへ、トベ」

「はい~~?!・・・・・・お、沖縄ぁ~?」

朽屋は半ば強引に迎えに来ていたハンヴィーに乗せられ、そのまま横田基地に連れていかれ、そこから米軍の連絡機に乗って沖縄の嘉手納基地へと連行された。
機内で簡単なブリーフィングが行われ、朽屋は来たる作戦に備えるため、沖縄にある某科学技術大学院の施設を借りて潜水技術の取得などの訓練を受けるのだという。

「ていうことは、ワタシもしかして今回は海軍さんのお手伝いってことでしょうか」

「そのようです」ブリーフィング担当士官が答える。

「ねぇ・・・アメリカ三軍渡り歩いたのってワタシくらいじゃないの?」

「海兵隊にも行けばコンプリートですよ」

「ねぇ・・・悪い予感しかしないから、そんなこと言わないで!!」

朽屋はここから3か月間の潜水訓練と、別の米軍基地にて5か月間の特殊訓練を受け、
いよいよ本格的に前線に投入されることになった。
これにより、朽屋は米海軍特殊戦司令部(USNSWC)付き最専任上等兵曹に任命された。
もちろんこれは、特殊作戦をスムーズに行うために与えられた仮の階級である。

2024年5月下旬
今度はC国のWS造船所で建造中だった原子力潜水艦が沈没したと、米ウォールストリートジャーナルがすっぱ抜いた。C国側は隠ぺいに奔走したが、上空からとった写真まで公表されてしまった。米軍内の一部でも、再びリヴァイアサンによる攻撃があったのかと騒がれ情報が錯綜したが、のちにCIAはこれはリヴァイアサンの仕業ではないと報告した。
第一にWS造船所は内陸部にあり、そこへ行くとしたらリヴァイアサンはC江を登らねばならず、C国軍に発見されずにWS造船所まで辿りつける可能性はないだろうとした。
また、WS造船所では通常動力型潜水艦しか製造しておらず、記事中の原子力潜水艦だとするマスコミの情報は間違いであるとされた。原子力潜水艦の巨体ではC江を下って海に出ることは不可能でもある。

2024年6月13日

朽屋は嘉手納基地から海軍所属のCMV22オスプレイに乗り込み海上へ出た。
先日のWS造船所での潜水艦沈没事故はリヴァイアサンとは無関係であるとした一方、
そのことが朽屋たちの作戦に再び動力を与えたのも確かだった。

余談となるが、オスプレイは前年11月に屋久島沖に墜落する事故を起こして一時飛行が全面中止されていた。この日から本格的にオスプレイの飛行再開がはじまったようだが、朽屋はその一番機に搭乗していたようだった。

オスプレイが向かった先には、洋上に浮かぶ巨大な艦船があった。
それが冒頭でも紹介した遠征洋上基地(ESB)「ミゲル・キース」である。
朽屋を乗せたオスプレイは、その広大な上層甲板に着艦した。
朽屋を降ろしたオスプレイは再び飛び立ち、ミゲル・キースはそのまま一路、南シ海へと向かったのだった。

・・・・・・

7月の某日、ミゲル・キースは南シ海のT湾寄りの海上に停泊して、ちょっとしたイベントを行っていた。【スイムコール】と呼ばれる海軍の伝統行事である。これも兵士の息抜きのひとつなのであろう。この日は多くの乗組員が下層甲板から海に飛び込むのだと言う。

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