【クリスマスイブの出来事】
投稿者:kana (211)
「サンタさんが来たんだよ! 本当だよ! サンタさんなんだ!!」
ボクがどんなに必死に叫んでも、大人たちは誰も信じてくれなかった。
哀れな目でみんなボクの事を見て、結局ボクは施設に送られることになったんだ。
・・・どうしてこんなことになったんだろう。
「パパ・・・ママ・・・お姉ちゃん・・・ボクを助けて!!」
それは楽しいパーティも終わったクリスマスイブの夜の事。
「さぁ、子供たちはもうお休みの時間だよ」とパパが言う。
まだ遊び足りないボクとお姉ちゃんが「え~~」っと文句を言う。
「良い子にして早く寝ないと、サンタさんがプレゼントくれないかもしれないぞ~」
そうだ、今夜はサンタさんがプレゼントをくれる日だ。
「はぁ~い、じゃあパパ、ママ、おやすみなさい~」
ボクとお姉ちゃんはそれぞれの部屋に戻ってベッドにもぐりこんだ。
どのくらい時間がたったのだろう。ボクはふと目を覚ました。
なにか部屋の外で大きな音がしたような気がする。
ボクはすぐにわかった。「きっとサンタさんだ。サンタさんがやってきたんだ!」
ボクはこの時、とても好奇心がわいてしまった。
本物のサンタさんをこの目で見てみたい・・・と。
だから急いで飛び起きて、クローゼットの中に隠れることにした。
やがて廊下を足音が近づいてくる。
キィとドアが開く音がして、誰かが部屋に入ってきた。
ボクはクローゼットの細い隙間から、その様子を見ていた。
開いたドアから漏れる明かりで、男の姿がかすかに見えた。
真っ赤な服を着て、背中に大きな袋をしょっている。
間違いない、サンタだ。
「オイ、行くぞ」廊下の後ろから別の男の声がした。
それに反応してサンタは振り返って部屋から出て行ってしまった。
「え?・・・プレゼントは?」
サンタが何も置かずに去っていったことにショックを受けて、ボクは悲しい気持ちでクローゼットから出た。
「もしかして、良い子にしてちゃんと寝てなかったから、何も貰えなかったのかな?」
もう一度ちゃんと寝たら、また来てくれるかな・・・そう思い、慌ててベッドに入った。
「もう悪いことはしません、サンタさん、もう一度来てください」
そう願いながらだんだんと眠っていった。
赤い服は血で、袋の中にはお姉ちゃんが入っていたってことか(怖)
あと、最初に施設に入れられたって言うの、頭おかしくなってそれ系の施設に入れられたという話かと思ったら、最後は一人ぼっちになって保護施設だとわかるとか。