イタズラ
投稿者:たち (30)
そして、1学期最終日の夜にみんな集まり、またプール入るために学校へ向かった。
明日から夏休みということもあり、皆のテンションは前回よりも上がっていた。
そして、そろそろ帰ろうとしていた時、
「誰だ!」
と遠くから声が聞こえた。
皆の動きは止まり、顔を見合わせてすぐに逃げれる準備をしていた。
声のする方を見ると、数人が歩いてくるのが見えた。
「逃げろ!」と言い一斉に逃げだした。
無事に全員、プールから出て走り出してるのを確認し安心した私は誰が来たのか逃げながら後ろを振り返った。
すると、プールの近くで数人の笑い声が聞こえた。
「あっははは」
「ビビってたなー」
聞き覚えのある声だと気づき学校から離れたとこでみんなに話しかけた。
「なぁ、さっきの多分野村達だと思う。」
野村とは同じクラスの1人で他のクラスの友人達と連んでいる同級生だ。私達グループとはあまり絡まない連中だった。そんな連中にイタズラをされて、
「あいつらかよ」
「びびったわー」
と少し安心した様子で各自宅に帰宅していった。
あっという間に夏休みが終わり始業式の日に登校すると朝の会で担任から驚くべきことを聞かされた。
「今、いない野村なんだが…どうやら、行方不明になったらしい。警察の方も捜査してくれているがまだ見つかってない。」
教室内は突如としてざわつき始めた。
「マジかよ…」
「どこ行ったんだ。」
などと友人達と話をしてると、
「静かに!事件に巻き込まれてる可能性もあるからみんなも1人で行動しないように。」
休み時間に5人集まり野村のことについて話始めた。
「夏休み前に確かに野村の声は聞こえたからその後なんだよな。」
「なぁ、他の奴らから聞いてこようぜ」
野村がつるんでいた他のクラスの友人達に話を聞きに行った。
「なぁ、お前ら夏休み前の日の夜にプールに来て俺らを脅かしたよな?その時、野村もいただろ?」
他のクラスの野村の友人達は顔を見合わせて静かに話始めた。
「ああ、あの日お前らを脅かしたのは俺らだ。野村が声をかけて逃げてく様子を見てたんだ。」
私は、
「やっぱりな。野村の声でわかってたわ。で、そのあとプールに入って遊んだのか?」と聞くと、
「ああ、野村も一緒に俺らとプールで遊んでたんだ。そしたら…」
突然、話すのをやめて黙ってしまった。
「そしたら?なんかあったのか?」
「ああ、しばらく遊んでいたら突然「こらー!」って怒鳴り声がしたからヤバいと思って逃げたんだ。電灯を持った人がこっちに近づいてきたからみんな慌てて逃げ出した。だけど、野村が何かを忘れたらしくプールに戻ったらあいつの姿を見なくなったんだ。俺達はしばらく待ってたんだけど、野村が全然来ないから俺らも怒られるの覚悟でプールの方に行ったんだ。だけど、誰もいなくてプールサイドには野村の忘れ物がまだ残ってた。」
野村の友人達はそう言うとどこかに行ってしまった。
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