知事の目安箱

知事は追い詰められた。

だが、「陰謀だ」と繰り返すばかりで、新たな対応策は示さなかった。

そして半年後、健康問題を理由に辞職することになった。
その後の知事選で選ばれた後任者は、目安箱を撤去するよう指示した。

だが、話はここで終わらない。

ある日、夜遅くまで残業をしていた職員が、暗い県庁の廊下で目安箱が微かに揺れるのを目撃したそうだ。

誰もいないはずの箱の中から、何かが叩くような音が聞こえてくる。
その職員が恐る恐る箱を開けると、中には一枚の紙。

そこにはこう書かれていた。

「次はお前だ。」