これは親戚のAさんが10年ほど前に体験したヒトコワ話である。
Aさんから投稿の許可は貰っているが、フェイクを入れて紹介させていただく。
当時のAさんはSNSの人間関係と職場の人間関係に悩まされていた。
SNSではマウント取ってからかってくる相手に我慢しつつもイラつき、職場でも似たような感じで仕事仲間のからかいにイライラさせられる日々が続いていた。
「こんなことで怒ったり文句言ったら心の狭い人間だと思われる、誰にも相談できない」とAさんは悩みに悩んでは時々私に電話やメールで愚痴をこぼしてきた。
離れて暮らしているために一緒にお茶したりご飯食べたりして気分転換、というわけにもいかない。
そこで、私は気楽な人間関係が売りのオンラインゲームで嫌なことを忘れて楽しく遊んでみては?と助言をしてみたのだが、今思えばゲームを勧めたのは失敗だったと思う。
Aさんがゲームで一体どんな嫌な目に遭ったのか・・・今から詳しく説明していく。
某MMORPGのアカウントを作成したAさんが初めて作ったのは女キャラだった。
見た目は高校生くらいの年齢に設定し、雰囲気は大人しい感じで。
紫色の髪に紫色の瞳、衣装は薄いピンク色を選んだ。
紫色に拘ったのはアメジストという天然石が好きだからという単純な理由だった。
慣れないゲームに右往左往しつつ、半年もするとゲーム友達もそれなりに出来たようで、オンラインゲームを楽しんでくれている。
私も最初こそ一緒に遊んでいたのだが、引っ越しを控えていたことでログイン率が下がるようになり、環境がガラリと変わる楽しさと不安が入り混じる状況が続いたことでオンラインゲームを一時的に休止することにしたのだが、その休止中に事件が起きてしまった。
ギルドと呼ばれる組織の中にとあるイケメン風のキャラを操作しているリアル成人と思われる男性プレイヤーのアオイ君(仮名)が居た。
人当たりはそれなりに良いのだが、リアルの素性を悟られたくないのか、あまり多くを語ってくれない。
はっきりとした年齢も職種もゲーム歴もSNSのアカウントも教えてくれない、ただ、怪談話を聞くのが趣味であるという情報しかなかった。
ギルメンの女性陣はアオイ君の優しそうな文章の表現に惹かれていき、いつしかアオイファンクラブみたいなものが出来ていた。
Aさんはアオイ君のことを気さくに交流できる弟的な存在というような感じで気に入っており、アオイ君もAさんのことを近所に住んでいる年上のお姉さんのようなどこか頼れる存在という感じで気に入ってくれていたようだった。
だが、ギルメンの女性陣の何名かがAさんとアオイ君の関係をよく思っていなかった。
「ずるい」
「なんであんなおばさんが相手にされるのよ」
「Aさんだけ特別扱いされてる」
「気を引く何かをしたんじゃないかしら?」
現実でもSNSでもゲームでも絡まれるAさん
これだけ様々な媒体で絡まれると言うことはAさんの行動や発言にも何らかの問題があるのかもね