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都市伝説

セイスケくんさんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

慧理命
短編 2024/11/18 21:26 136view

慧理命はしばらく沈黙し、橘を見つめていたが、やがて薄く微笑んだ。

「未来を知ることは大きな力を与えよう。しかし、それは同時に重い代償を伴うものだ。」

橘は目を伏せながらも毅然とした声で答えた。

「覚悟の上です。」

慧理命が手を差し伸べると、青白い光の中から一冊の古びた巻物が現れた。
彼はそれを机の上にそっと置いた。

「この巻物には、これから一年間の出来事が記されている。だが、汝が読む限り、その代償を避けることはできぬ。」

慧理命はそう言い残し、再び青白い光とともに消えた。

橘は息を整えながら巻物を広げ、その中身を読み始めた。

そこには、来年の株式市場の動きや経済動向、自然災害の日付、さらには日本ダービーで優勝する馬の名までもが詳細に記されていた。
橘は震える手で次々とメモを取っていく。

深夜、ホテルのスタッフが部屋を訪ねた。

「何かお困りのことはございませんか?」

「いや、大丈夫だ。ただ一つ、覚えておくといい。今年のダービーで勝つ馬はこれだ。」

微笑みながら一言を残した橘の姿は、どこか自信に満ちていた。

しかし、巻物の最後のページをめくった瞬間、橘の表情が凍りついた。
そこには大きな文字でこう記されていたのだ――

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