3人の意味不明な女
投稿者:ねこじろう (143)
言われて俺は、加那という女の外見をスタッフに伝えた。
するとしばらくパソコンのキーボードをカタカタと叩く音がしたかと思うと、再びスタッフの声がする。
「おかしいですねえ、、、
こちらの資料では、橋本加那さんというのは、23歳のOLさんで、スポーツ観戦が趣味の中肉中背の明るいタイプなんですけど。」
「え?そんなバカな」
─でも確かに加那というあの女は、約束の時間に約束の場所に現れた。
もしあれが本当の加那さんではないとしたら、いったいあの女は何者だったんだ?
思いながら俺は、目の前のデスク上にあるパソコンのフォルダを開いて加那さんの写真を探す。
だが不思議なことに写真は見当たらなかった。
「何かおかしいので、私の方でもう一度加那さんに事情を聞いて、また連絡しますね」
そこでスタッフとの会話は終了した。
※※※※※※※※※※
俺は電話を切った後、軽くシャワーを浴びると、部屋着のままサンダルをひっかけ、近くのコンビニまで歩いた。
ビールでも飲まないと、その日は眠れないと思ったからだ。
500ミリリットルを一缶買うとレジ袋を片手に提げたまま、書籍コーナーで立ち読みをしていた。
しばらくしてふと顔を上げると、雨でも降りだしたのか、正面の暗いガラス面に水滴がポツポツと付いている。
━ヤバイ、そろそろ戻らないと、、、
と雑誌を棚に戻そうとした時だった。
生ゴミのような臭いがサッと鼻を掠めると、
マタアイタイヨ、、、
1話目の女の人が、1番意味不明でした。面白かったです。