ゆう子は朝まで一睡もしないで、2人の遺体を見ていた
空が明るくなって、何故か外を見たくなって窓を開けた
そうしたら、急に清々しい気分になったのだ
それは残酷なもので、ゆう子に生きる希望を与えてしまった
慌てて2人を生き返らせようとしたが、勿論、生き返らない
怖くなって、警察に助けを求めようとした
自分だけでも助かろうとしたのだ
だが、電話をかけようとして止まった
昨夜の愛の、最後の言葉を思い出したからだ
『死にたくない』
駄目だ!生きていたかった あの子を手にかけておいて、自分だけ生きることはできない!
そしてゆう子は、自ら命を絶った
※
「それ、見たんだね」
誰もが武智に同情した
「うん、現場は凄絶だった。……ところで母親は死んだ後、子供たちを探したんだよ。一緒に天国に行こうと思ってね。でも無理心中を実行したからか、子供たちとは同じ所に行けなくて、母親だけ、ここに留まってずっと探してる。どこにいるのか?もしかしたら2人は生き返ったからいないのか?ってね」
誰もが悲しい気分になって、今夜の活動は終わった
その夜は祖父の好意で、全員が泊まることになった
泊めてもらった部屋で、舞は夢を見た
先程のアパートにいて、あの部屋で女が うずくまって泣いている
(岸島ゆう子だ!こんな夢を見るということは、彼女の一部は私の中にも入ったのかな?)
どうしたものかと思っていると、空中から子供が2人現れた
キリッとした顔立ちの女の子が、優しそうな男の子の手を引いている
「いつまでも泣いてたらつまんないよ、怒ってないからね!そんなことより、私たちはさっさと生まれ変わってるから!人生を楽しんでるから!いつまでも同じところにいないでね」
そう言って消えた
すると岸島ゆう子は立ち上がった
変わらず泣いていたが、先程の苦しい涙ではなく、喜びの涙だった
























怪談を読んで久し振りに涙が出ました。子どもたちのほうが、ずっと魂レベルが高かったのですね。
ええ子達や?
母親の身勝手さにムカつくこれは愛情じゃなく執着。せっかく優しくしてくれたのにどこまでセリザワさんに迷惑かけ倒すねん!と、残念ながら舞さんのように優しい気持ちにはなれんかった。