愛の顔を見た
お手伝いもしてくれて、弟の面倒も見てくれる
母をいつも励ましてくれて、どちらが親か分からなくなる時がある
夫が亡くなってからは大人びて見えていたが、寝顔はとても幼い
武の顔を見た
明日、ランドセルを買うと嘘をついたからか、安心した顔で寝ている
幼稚園を辞めさせてゴメンね
小学校も行けなくてゴメンね
夫が生きていた頃は良かった
でもあの人は、病気で亡くなってしまった
仕方なく、私は外で働くことになった
あまり頭が良くなく、いつも怒られていた
ミスばかりして、給料も引かれて…
家に帰っても、家事や子供の世話をしなくてはならないし、とても疲れた
ある日 何もかもが嫌になって、子供たちに一緒に死のうと言ったら、2人から泣いて拒否された
その姿にハッとしてそれは止めたけど、事態はあまり変わらなかった
会社も休むようになったら、クビにされてしまった
新しい会社に行っても、同じことになりそうで怖い
私の状況を知った人がいたら、子供たちと無理矢理に引き離すかもしれない
だから、知られてはいけないのだ
芹澤さんをはじめ、気にかけてくれる人たちと距離を置いた
そうしてる間にも、お金はどんどんなくなる
まだランドセルも買えていない
仕方がないので、武には幼稚園を辞めてもらった
就職をしなくてはいけないが、嫌すぎて体が動かない……
そうだ、やっぱりあの人のところへ行こう
あの世で、また4人で暮らそう
それから凄惨な話が、武智から詳しく語られた
武は寝ていて苦しまなかったようだが、愛は起きてしまったこと、最後まで生きようとして抵抗したこと……

























怪談を読んで久し振りに涙が出ました。子どもたちのほうが、ずっと魂レベルが高かったのですね。
ええ子達や?
母親の身勝手さにムカつくこれは愛情じゃなく執着。せっかく優しくしてくれたのにどこまでセリザワさんに迷惑かけ倒すねん!と、残念ながら舞さんのように優しい気持ちにはなれんかった。