とある村で代々受け継がれる【絆の宴】という風習
投稿者:ねこじろう (155)
この話は、とある初夏の日曜日にバイク好きの堀口が遭遇した奇妙な村の風習の話である。
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その日堀口は午後から一人バイクで出掛けた。
薄曇りの空の下特に目的もなく北へと走っているとやがて前方に連なる山々が近づき始め、さらに走り進むと山裾の盆地に小さな集落が見えてくる。
そこは僅か1キロにも満たないまっすぐ伸びた砂利道沿いにある小さな集落だった。
彼はその集落内に乗り入ると、その街道沿いにある一軒の古びた駄菓子屋に立ち寄ったのだ。
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堀口は老婆の言われた通り東に走っていた。
するとすぐ右前方に忌中の外観を呈した一軒の家が見えてきた。
彼は門の横手にバイクを停めると降りてみる。
門両横の塀には白黒の垂れ幕が渡されており、玄関に至るまでの途中には長机が置かれていて数人の腕章をした喪服の者たちが弔問客の対応をしている。
彼は自らの不似合いな格好に少しその場で躊躇していたが、受付の男性に促されて恐縮しながらも記帳をすると開け放たれた玄関前に進んだ。
広い玄関口は黒い革靴で埋め尽くされている。
彼はその後ろ辺りでエンジニアブーツを脱ぐと廊下を歩き進み、奥まったところにある襖を開けた。
そこはちょっとしたテニスコートほどある畳の間のようだ。
襖を開けて右手奥には豪華な祭壇が作られていた。
その真ん中には、肩までの黒髪の色白でふくよかな中年女性が笑顔で納まる故人らしき女性の遺影が飾られ、周囲を可憐な白い花がぎっしり埋め尽くしている。
祭壇の前には焼香のための小さな台が置かれていて、数人の者たちが焼香をしていた。
焼香台の後方からちょうど室の真ん中辺りまでは座布団や座椅子が整然と並べられており、さらにその後方には大きめの座卓が3脚縦にくっつけて並べられている。
そして各々の卓上にはカセットコンロが一台ずつ置かれていて、その上にはだし汁の入った土鍋が乗せられていた。
他にも取り皿やコップそして瓶ビール等が並べられている。
座卓の前には既に数人の男女が座り、なにやらひそひそ談笑していた。
堀口が型通りに焼香を済ませ早々に退散しようと再び廊下へと歩き出した時だ。
「せっかくわざわざ来られたんですから、まあまあこっちにどうぞ」と喪服姿の年配男性が彼の背中に手を回して座卓の方へと誘導する。
( ゚д゚)。
カニバリズム(;_;)
( ゚д゚)。
コメントありがとうございます。
─ねこじろう
怖いですヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ
コメントありがとうございます。
ねこじろう
いくら故人とはいえ、朋子さんは自分の肉が喰われるの承諾したのですか???田舎とはいえ、そんな風習無さそうですけど。。。。。。
もちろん、この話はフィクションです。
あくまでエンタメとして読んでいただければと思っております。
─ねこじろう
奥さん茶髪なのに誰の髪?
おっと、よく細かいところまで読まれておりますね。
おっしゃるとおり遺影の髪色は茶髪となっておりますが、黒髪の間違いです。
貴重なご指摘をありがとうございます。
─ねこじろう
田舎って怖い