とある村で代々受け継がれる【絆の宴】という風習
投稿者:ねこじろう (147)
すると
「あれを見なされ」と言って北の方角を指さした。
彼はその方に視線をやる。
立ち並ぶ民家や商店の背後に見える小高い丘。
そこをぞろぞろ列をなして歩く人々。
午後の気だるい日射しを浴びながら、重々しい足取りで一歩一歩前へと進んでいる。
先頭には豪華絢爛な袈裟を纏った坊さんらしき者。
小さな太鼓をリズミカルに打ちながら朗々と念仏を唱え歩いている。
その背後には喪服姿の中年男性が遺影を胸に抱き肩を落としながら続く。
彼の後方には黒い学生服姿の少年が従っていた。男性の息子のようだ。
さらに後方にはまた喪服姿の男女が数人続き、
そして最後尾には、大きな木桶がその真ん中で荒縄を用いて吊り下げられた一本の長い棍棒を、二人の男が前後で肩に担ぎ歩み進んでいた。
「あれは?」
堀口が改めて振り向き老婆に尋ねた。
老婆が男たちの行列を眩しそうに見ながらつぶやく。
「これからな【絆(きずな)の宴(うたげ)】が始まりよる。
その前にな、ああやって列をなして村の周りを練り歩くという習わしなんじゃ」
「最後尾の人たちが運んでいる、あの大きな木桶には何が?」
「亡くなられた朋子さんが白装束着せられて入れられておる。
そうだ今日はあんたも何かの縁じゃ。
良かったらの、うちの並びの一番東にある岡田さんちに行ってやって弔ってくださらんか?」
さらに質問を続けようとする堀口をよそに、老婆は念仏を唱えながらまた店に戻っていった。
彼はしばらくの間、再び鳴り響く不気味なサイレンの音を聴きながら無言の葬列を眺めていたが、やがてバイクに跨ると老婆の言う東に向かって走り出した。
( ゚д゚)。
カニバリズム(;_;)
( ゚д゚)。
コメントありがとうございます。
─ねこじろう
怖いですヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ
コメントありがとうございます。
ねこじろう
いくら故人とはいえ、朋子さんは自分の肉が喰われるの承諾したのですか???田舎とはいえ、そんな風習無さそうですけど。。。。。。
もちろん、この話はフィクションです。
あくまでエンタメとして読んでいただければと思っております。
─ねこじろう
奥さん茶髪なのに誰の髪?
おっと、よく細かいところまで読まれておりますね。
おっしゃるとおり遺影の髪色は茶髪となっておりますが、黒髪の間違いです。
貴重なご指摘をありがとうございます。
─ねこじろう
田舎って怖い