【short_84】おじいちゃんの秘密
投稿者:kana (210)
あれはまだボクが小さかった頃の出来事。
その頃ウチには、おじいちゃんとおばあちゃんが一緒に住んでいました。
おじいちゃんとの記憶で不思議な思い出が一つあります。
おじいちゃんはよくボクに毛抜きを持たせて、「白髪抜いてくれ」と頼むのです。
1本抜いたら10円とか、お小遣いもくれました。
そうしておじいちゃんの後頭部を見ていて気付くのが、ちょうど首の後ろ、「ぼんのくぼ」と言うのでしょうか、そこに大きなシコリのようなものがあって、皮が硬くなっている部分があったのです。
幼かったボクはそれが気になって気になって、よくいじっていました。
そして・・・いじりすぎたのでしょうか、ある日その部分がパカっと割れてしまったのです。縦にパックリと裂けてしまいましたが、幸いなことに血などは出ませんでした。
「ええ~~なにこれ~」と見ていると、おじいちゃんが聞いてきました。
「どれ、中はどうなっとる?見えるか?」
「ええ~、見えないよ・・・」
するとおじいちゃん、自分の手で傷口を引っ張って『くぱぁ』と広げて見せてくれました。
「ほれ、見えるか?」
ボクは片目を近づけて中を覗いてみました。
中には金属でできた部品のようなものがあり、
赤や緑の小さなランプが点滅するのが見えました。
「ええっ!?・・・」ボクは驚きました。
「おじいちゃんってロボットだったの??」
おじいちゃんはニタぁ~っと笑って、お小遣い1000円をくれました。
「シ~~、誰にも言っちゃなんねーぞ。秘密じゃ」
( ゚д゚)。