夢の中で鏡を見た日のこと
投稿者:撫子 (4)
時計を見ると、まだ朝の7時頃だった。
私はトイレに行きたくて、痛む身体を無理やり起こして歩き出した。
私の部屋は二階で、トイレは玄関のすぐ脇にあったので、
激痛を被った身体でそこまでいくのはかなり大変だったことを覚えている。
途中階段を何度か踏み外しそうになった。
情けないうめき声をあげながらトイレまで行き、用を済ませて、また二階の自室に戻った。
その日は学校が休みだったので二度寝をした。
こんな痛む身体で起きていられないと思った。
すぐに眠りに落ち、次に目が覚めたのは9時頃。
不思議なことに、その時にはあの全身の痛みは消えていた。
痛みが引いて楽になったとかではなく、
まるで体中が痛かったこと自体が嘘だったかのようにケロッとしていた。
二度寝していた時間はたったの2時間程度だったのに、
そんな短時間でここまで急速に回復するのはおかしい。
今思い返してみても、あの朝の事はよく分からない。
夢の中で鏡(窓ガラス)を見て、自分の顔を確認してしまった時の
自分の「あっ」という表情。
二度寝したら完全に癒えていたあの体中の痛みも、
脳が誤作動を起こして「全身が痛い」と錯覚していたのではないかと
思ってしまうほど不可解なものだった。
足場の悪いジャングルの中、猛進してくるティラノサウルスから全力で逃げ惑っていたら
こんな筋肉痛にもなるかな…と
「マラソン大会のあとの痛みに似ていた」という自分の言葉を思い返しながら、
この文章を書いている。
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