その人は毎日、必ず現れるのだという。
初めのうちは現場の警備員も、みんな男性の事を会社に報告していたが、
別に何をしてくるという訳でもないので、
次第に報告もしなくなっていったそうだ。
まぁ実害がないなら。
と自分も納得し、その場所の警備についた。
適当に声優のラジオなどを聞きながらブラブラと散歩をしていると、
たまに犬の散歩やランニングしている人などが通る。
そのたび(何のためにここにいるのだろう。)
という気まずい気持ちになるが、
これでお金が貰えるので文句は言えない。
すると、ふと気がついた。
警備の敷地外の離れた場所に人が立っている。
本当にギリギリ服装が分かりそうな、
性別が男性と分かるくらいの距離に人がいる。
さっきはいなかったのに本当に現れた。
あれかぁ…
目撃した時、正直怖かったが、
2時間ほど経つと
あの人、ずっと同じ場所に立ってるのすごいなぁ。
という感想の方が強くなった。
それに段々と夜も更けて暗くなっていったので、
空き地の近くにポツポツ街灯があるものの、立っている男性もよく見えず、
正直いても、いなくても分からない感じになった。
そのうち夜も明けて来て、少し景色が見えるようになったくらいに明るくなってくると、
再び男性の立っている姿が確認できるようになってきた。
すごいな。本当にずっとあそこにいたのか?
そして周りが完全に明るくなるころには、
この話は怖かったですか?
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毎夜見てると慣れるものですかね。
怖いです。
受賞おめでとうございます。
実質ヌリヘイさんが1位でしょ
ちょっと怖いけど、平和やなぁ〜
面白い
尾も白い
警備の現実なんてこんなものというリアリズムがある作品。
さらには一般的な(?)恐怖体験なんてだいたいはオチがないものという点でも現実感がある。
逆に、実際にある話をモデルにしたようにも思える。