深夜のテレビショッピング【素敵なアンチエイジング】
投稿者:ねこじろう (147)
「け、結構です、結構ですよお、素晴らしい。
いつまでも若々しくありたい、いつの時代も女性というのは、そう願い続けてきました。
それはもちろん令和の時代になっても、変わりませんもんね。
それでは本日一個めの商品のご紹介をしましょう。
スタッフの方、よろしくお願いいたします!」
藤田の合図とともに拍手に包まれてスタジオ袖からは、直角に腰の曲がった白髪の女性、長身の白衣の男性、そして台車に乗せられた本日の商品が登場してきた。
藤田が腰の曲がった小柄な女性の隣に立ち、質問をする。
「それでは、お名前とお年をお願いいたします」
女性は皺だらけの顔に目一杯笑顔を浮かべ、
「相澤トメ、年は今年の3月で88歳ですわ」と、たどたどしく言った。
藤田がさらに質問を続ける。
「相澤さんの今のお悩みというのは何ですか?」
「いろいろあるんですがね、実はわたしゃあ今好きな人がおりましてな。
今度一緒に観劇に行くんですわ」
「まあ素敵、おデートですね!」
地童が嬉しそうに言う。
すると藤田が「観劇、、、それは素晴らしい
ところでお相手の方は、どんな方なんですか?」と、また質問をする。
「はあ、今通っておるデイサービスのタカシくんです」
「ほほう、デイサービスのスタッフの方ですね
そのタカシくんといのは何歳なんですか?」
トメさんは藤田の質問にサッと顔を赤らめてから、遠慮ぎみに口を開いた。
「あの、それが、、、24歳なんですわ」
─おおお!
スタジオ内に、どよめきが起こった。
トメさんが話を続ける。
「それで、その日までに、この皺や染みだらけの顔をきれいにしたいんです。
わたしゃあ、それさえ出来れば死んでもいいんですわ」
トメさんは紅潮し、両手の平で顔を隠すようにした。
「分かります、分かります。
同じくらいの年齢の女性の方々、皆さん同じようなお悩みをお持ちだと思います。
そこで今回ご紹介する商品ですが、ここからはいつものように、町立歌舞伎町大学医学部の上席研究員である毒島さんにご説明をお願いしたいと思います」
オチが分かりませんでした。ただ同じ商品を使っていたという事でしょうか?でもそれだと別に気の毒ではないし…
顔を若く整形しても、手と首でバレるからね。
そんな商品通販で売ってたとしても買う人いるのかな?