深夜のテレビショッピング【素敵なアンチエイジング】
投稿者:ねこじろう (147)
すると白衣の阿部○似の毒島の前に、台車に乗せられた商品が持って来られた。
それは一見すると、単なる家庭用のアイロンのように見える。
毒島が説明を始めた。
「これまで女性の方のお肌対策としては、いわゆるクリームや乳液とかがほとんどで、その効果は絶対的なものではなくかなり個人差がありました。
そんな中途半端なものなどではなく、もっと劇的かつ根本的に遺伝子レベルで女性を変身させられないのか?
そんな思いから我々が開発に成功したのが、今回ご紹介しますこの商品
『変わり過ぎだよ、お母ちゃん』なんです」
そう言って毒島はアイロンのような商品の持ち手を持ち、トメさんの側に立った。
「使い方はとても簡単で、まず本体の起動スイッチを押します。
それから後は、この金属のコテの部分で気になる部分をなぞるだけです」
そう言うと、毒島はまずトメさんの額辺りにコテを当て、そのままゆっくり下方にずらしていく。
そしてコテがトメさんの顎下まで進んだとき、彼女の顔はまるで火山の火口で煮えたぎるマグマのようにドロドロに溶けたような風体になり、元の造作を全て失った。
「今トメさんの顔は分子レベルで破壊された状態で、いわゆるカオスです」
スタジオ内に大きなどよめきが走る。
気分を害して退出する観客もいた。
毒島の説明に、藤田が驚きの様子で返す。
「ちょっと、ちょっと、ちょっと、毒島さん、
こんな悲惨な状態になって、トメさん、大丈夫なんですか?」
「ご安心ください。
分子レベルで破壊してますから、ご本人には一切痛みや苦しみはありません。
そうでしょ、トメさん」
毒島に言われて、どろどろになった顔のトメさんが頷く。
「後は粘土細工をするように、顔の中を自由に整えていけばいいのです」
そう言うと毒島は特別な手袋を装着した後、デスマスクのような白い仮面を改めて両手に持つと、トメさんのどろどろになった顔に慎重にはめる。
その後再びそれを外し、まず目、鼻、口と主なパーツの形を骨格に合わせて両手できれいに整え、最後にクリームを塗るように肌を優しく伸ばしていく。
するとトメさんの顔は別人のように変貌した。
「後は熱が冷めるまで3分ほど待てば、オーケーです」
3分後トメさんは皺や染みなどとは無縁の、白く張りのある肌とメリハリのある目鼻立ちに変わっていた。
どこから見ても、20代の若く健康的な女性の顔だ。
ただ首から下は88歳の女性のままだから、老人が顔だけゴム製の白いマスクを付けているみたいで遠目で見ると、かなり不気味である。
オチが分かりませんでした。ただ同じ商品を使っていたという事でしょうか?でもそれだと別に気の毒ではないし…
顔を若く整形しても、手と首でバレるからね。
そんな商品通販で売ってたとしても買う人いるのかな?