ごめんで済むなら呪いはいらない
投稿者:Mine (24)
長編
2023/11/30
20:44
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部屋に戻った私は枕に顔を押し当て叫びました。そして何度もごめんねを繰り返しました。
あれから二週間が経ちますがカオルはもう夢には現れません。
だけど私には直感、いえ、確信があります。
カオルはあきらめてなんかいません。
そう遠くない日に彼女は何らかの形で再び私の前に姿を現すでしょう。
そしてその時が、私の最期になるはずです。
本来ならば家族に相談して、然るべき所でお祓い等をするべきなのでしょう。
でも、私にはそれが出来ません。
する道理が私にはないのです。
運命に抗わずただ身を委ねる事。
それが自分で死ぬ勇気のない卑怯な私が出来る、精一杯の償いです。
それでもせめて、私が存在していた証としてこの手記を残す位は、きっと許してくれると信じています。
ね。カオル。
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主犯格は許せないが、見て見ぬふりされ助けてくれ無かった事の方残酷な事なのですね。
いじめた生徒は、自殺に追い込んでしまったと自覚すら持たず、のうのうと生きている人達がいるのも現実です。
いじめの無い世の中になればと考えさせられる内容でした。
怖かったです。
人間が一番怖いです
いじめをする人間は悪いけどいじめられる人間も悪いみたいな事をいう風潮があるかぎり、いじめはなくならない。
巾着袋が出てきた時点で、何となくオチが見えましたが、この手の話、好きです。
いや、これ、やはりカオルさん、呪う相手の順位、間違っています。
親友のナツミさんだって、自分を助ける手段を模索し、悩み抜いたんだし。
下手に間に入ったら、自分が標的になる危険があるから、傍観せざるを得なかったのは、ギリギリの決断だったわけです。
そのことは、ナツミさんだって、わかっていたでしょ?
カオルさんが、ナツミさんの立場だったら、やはり、同じ行動を取ったのではないでしょうか?
むしろ、カオルさん、「ナツミさんが、悩んでいたの知っていた。私のために、悩ませてしまって、ごめんなさい。それが言いたくて、夢に出て来た。」
そんなストーリーだったら良かったのにと、思いました。
再度、強調します。
真に憎むべきは、タチバナさんをトップとするイジメの実行グループのメンバーたち。
カオルさん、そこは、しっかり、認識してほしかったです。
蛇足ですが。
今、ほとんどの市町村には、いじめの被害を受けている生徒のための、駆け込み寺のような公機関が設置されています。
朝、登校するフリして家を出て、そこに行けば、保護してもらえます。
さらに、極端なこと言えば。
市町村により、その機関の権限には差がありますが。
例えば、カオルさんの場合、その公機関で、以降、授業を受け、そこから高校も受験でき、義務教育を卒業したことにもしてもらえるなんて可能性もありました。
そういうことを、知っておくことが、大切だと思いました。
これ、真の敵が誰か?、復讐するならするで、その復讐相手はまず誰なのか?の正しい判断がつかない、ある意味愚かな話なのでは?
カオルだって、ナツミの立場になれば、果たして、「自分がターゲットにされてもいいから、親友を助ける」という行動をとれたかどうか?
悩み抜いた結果、ギリギリの判断で、傍観を決め込んだ可能性も高かったのでは?
カオリは確かにいじめの被害者ですが、ナツミにとっては・・・
「ナツミが悩んでいたの、そして私を助けられなくて後悔しているの知ってるよ。私のことで苦しませて、ごめんね」というスタンスで、夢の中に表れてくれるくらいの親友ではなかったのですね・・