【鬼ぃちゃん事件】-事件記者 朽屋 瑠子-
投稿者:kana (210)
鬼の前に回り、ぴったりと寄り添う綾辻。
「・・・お兄ちゃん・・・顔見せて・・・」鬼の面に手をかけ、ゆっくりと剥がす。
「・・・ほら、やっぱりお兄ちゃんだ!」綾辻はボロボロと涙を流しながら鬼に抱きついた。
「もう、なんで逃げるのよお兄ちゃん!!ずっと会いたかったのにぃ!!」
「・・・すまん香織。お前のこと、見守ってるのがバレるの、なんか恥ずかしくてさ」
「ほんっと、バカなんだから・・・お兄ちゃん」
「おまえ、頑張ってんなぁ、最近。・・・でもなぁアレはダメだぞ。夜の町でケンカとか・・・オレもうあの世でびっくりしてたんだからなっ!!」
「ごめん、もうしない!お兄ちゃんの言う事なんでも聞く!・・・だからずっと側にいて」
しばし二人の間でなにか小声で語り合う姿が見られた。
いつの間にか戻って来た九郎と一緒に、その姿をしばし眺める朽屋。
「じゃ、またな、香織。・・・オレ、ずっとおまえの事・・・応援してるからな」
そう言って抱きつく綾辻の腕の中から光の粒子となって鬼は消えていった。
天を仰いでそれを見送る綾辻。
「行っちゃった・・・お兄ぃのバカ・・・」
「・・・どう?少しはお話できたのかい?綾辻さん」朽屋が歩み寄る。
「ハイ・・・聞いてくださいよ、お兄ちゃんったら、私の前に出てくるのが恥ずかしかったからあんな鬼のカッコしたんですって。昔、大学のコンパの時に宴会芸で着た鬼のスーツですってw」
「あぁ~なるほどね。霊体の着るものって、見てる方か霊体本人のイメージ力に寄るところが大きいらしいからね。でもそんなに恥ずかしかったの??」
「ハイ・・・そーゆーとこあったんですよねぇ、昔っから。変なとこで恥ずかしがり屋で。
・・・シスコンに思われたくない・・・とか」
「ふ~ん」なんだかわからないが、ニヤニヤが止まらない朽屋。
「私の事が心配すぎて、高校卒業するまでの限定で、私の守護霊になってくれてるみたいです。ただ、いま天国で魂の修行中とかで、資格が取れたら正式に私の守護霊になってくれるそうで・・・天国って意外と大変なんですね!」 びっくりした顔で朽屋の方を見る綾辻。
「お兄さんのあのパワーと精神力なら、きっとすぐに正式な守護霊になってくれるさ」
「ハイ! 私、明日からお兄ちゃんに負けないようにもっと頑張らないと!!」
「私も応援してるよ、綾辻」
「あっ、あと・・・お兄ちゃんから先輩に伝言がありまして・・・」
「ん?なに?」
「次、またやったらぶっとばす・・・って」
「ハイーーー!!スイマセーーーン!!もうしません!!」
「ボクもアレはマズイと思います」赤い馬が怖かった九郎も朽屋に哀願する。
kamaです。朽屋瑠子シリーズ第12弾は、前回の「赤騎士事件」の流れを汲みながら以前公開した【鬼のいる街】という作品の解決編ともなっています。今回はアクションも多いので、マンガ的に楽しめるのではないかと思います。よろしく~~
瑠子シリーズ大ファンの地方在住者です。赤鬼のお兄さんと妹の香織ちゃん、某アニメを彷彿させるようで感動しました。九郎ちゃん♀と瑠子のバディ、これからも期待しています。
↑kamaです。コメントありがとうございます。いつもありがとうございます。楽しんでいただけたでしょうか。多分この後、組織は綾辻兄妹をスカウトするんじゃないですかね~。またいつか再登場する日も来るかもです。ちなみに、朽屋愛用のマグカップについてですが、実は第一話ですでに登場しております。三連休ヒマだ~という方は、ぜひ朽屋瑠子シリーズ読破してみてください~~~
10/7(土)21:00 渋谷区道玄坂のスクランブル交差点で暴走車が7人を撥ねる事故。
朽屋瑠子で渋谷が舞台というので、なにかあるだろうなとは思っていたが。
何と!死んだはずの赤い馬が調教されカプセルに封印されていたとは。
↑kamaです。そうです。朽屋はこれでケルベロスと赤い馬の2頭を使い魔として使役することになりました。カプセルの描写は、もちろんウルトラセブンのカプセル怪獣のオマージュです。もう何体か欲しいですね。
その事件って本当にあったんですか?違うならKamaさん天才ですね