【鬼ぃちゃん事件】-事件記者 朽屋 瑠子-
投稿者:kana (210)
「く~。勘のいいガキはきらいだよ!」
「先輩こんばんわ~」綾辻も来た。すでに部室で道着に着替えての登場だ。
「・・・なんか学校の周り、白いバンが何台も停まってて変でしたよ!」
「ちょっとね。私を助けてくれる組織の人たちがいろいろデータ欲しがっててね。見学に来てるんよ」朽屋がそう説明したが、グラウンドには誰もいない。みんなクルマの中で電子機器を見ながら見学している。
「こないだの子か」九郎が綾辻を見る。
軽く会釈する綾辻。
「・・・殺気があるのって、こちらの方でしたか?」そう言って九郎を見る。
「あぁ、九郎は勝手についてきただけだけど・・・確かに殺気はあるかもしれないな。
ちょっと九郎、あの子と手合わせしてみない? 私、昨日彼女にやられたから」
「なんですって?昨日やられた??・・・許せん・・・姐さんを倒すとは・・・」
九郎が俄然メラメラと闘志を燃やしだした。
「ナイフはアリですか?」
「なしです!」武器を使おうとする九郎を制止する朽屋。
「まぁいい。あの子を倒せばいいんですね・・・じゃ、ヤラセていただきます」
はじめの合図もなにもなくイキナリスタートした戦い。九郎は考えた。
(あの子の戦い方は渋谷で見た。足技が主体。つまり、最初に1本でも足首を取ってねじって骨折させるか、アキレス腱を切ってしまえばこっちのもんだ)
ものすごいスピードで低く綾辻に走り寄る。このまま片足タックルを決めて足を取りに行く作戦だ。綾辻もとっさに膝を出して応戦する。
綾辻が膝を出してくることはお見通しの九郎は、それを瞬時に交わしながらそのままタックルを続けようとした。ところが突然後頭部に衝撃が走る。綾辻の前から来た蹴りがなぜか回って九郎の後頭部に突き刺さった。長く鞭のように自在に動く綾辻の足が、予想していなかった方向から飛んで来たのだ。あっというまに吹っ飛ばされる。・・・九郎ダウン。
「ストップ!!九郎大丈夫?」朽屋が声をかける。
「・・・くっそう・・・やられた・・・ナイフさえ使えれば・・・」
ウォーミングアップしながら次を待つ綾辻。
「次は先輩ですか!?」
「次は、いよいよ本番です。コイツで行かせていただきます」
朽屋は小さなステンレス製の箱から、アンプルの様な形の小さな赤いカプセルを取り出した。スペルを唱える朽屋。「いざ堕天の子ら地より蘇らん・・・忠節なる地獄のシモベ、血の海を渡り、我の力となれ・・・」
不思議そうに朽屋を見つめる綾辻。
「・・・破滅の蹄にて大地を裂け・・・出でよ鉄血のデストリア!! レアンカルナシオン!!」
光り輝くカプセルを投げつける朽屋。
まぶしい光と共にそれは爆発し、血煙のように赤い霧が立ち込める。
学校を取り巻いているクルマの中で、電子機器のインジケーターが激しく動き出す。
空間に強力な電磁波が流れている。
kamaです。朽屋瑠子シリーズ第12弾は、前回の「赤騎士事件」の流れを汲みながら以前公開した【鬼のいる街】という作品の解決編ともなっています。今回はアクションも多いので、マンガ的に楽しめるのではないかと思います。よろしく~~
瑠子シリーズ大ファンの地方在住者です。赤鬼のお兄さんと妹の香織ちゃん、某アニメを彷彿させるようで感動しました。九郎ちゃん♀と瑠子のバディ、これからも期待しています。
↑kamaです。コメントありがとうございます。いつもありがとうございます。楽しんでいただけたでしょうか。多分この後、組織は綾辻兄妹をスカウトするんじゃないですかね~。またいつか再登場する日も来るかもです。ちなみに、朽屋愛用のマグカップについてですが、実は第一話ですでに登場しております。三連休ヒマだ~という方は、ぜひ朽屋瑠子シリーズ読破してみてください~~~
10/7(土)21:00 渋谷区道玄坂のスクランブル交差点で暴走車が7人を撥ねる事故。
朽屋瑠子で渋谷が舞台というので、なにかあるだろうなとは思っていたが。
何と!死んだはずの赤い馬が調教されカプセルに封印されていたとは。
↑kamaです。そうです。朽屋はこれでケルベロスと赤い馬の2頭を使い魔として使役することになりました。カプセルの描写は、もちろんウルトラセブンのカプセル怪獣のオマージュです。もう何体か欲しいですね。
その事件って本当にあったんですか?違うならKamaさん天才ですね