私の宝物
投稿者:Mine (24)
「はー…疲れたー」
椅子の背にもたれ掛かり伸びをする。
時計をみたら午後11時半。
期末試験を直前に控えた中学1年の私は最後の追い込みをかけるべく、いつもは寝てる時間まで勉強を続けていた。
少し休憩しようかな。
シャーペンを置いてココアを一口飲み、机の1番上の引き出しを開けて中からチェーンのないペンダントを取り出した。
蓋を開けるとトイプードルの写真が入っているロケットペンダントというやつだ。
疲れた時とか、気分が沈んだ時とかにこのペンダントを眺めるとなんだか元気が湧いて来る。
このペンダント、実は元々私の物じゃなくて今は亡き親友のカナコが身に付けていた物だ。
だから中のトイプードルの写真もカナコが飼ってたペットってわけ。
でも、今となってはこのペンダントが私の1番のかけがえのない宝物なんだ。
小学3年生の時に同じクラスになり可愛いシールの交換したのがきっかけでカナコとは友達になった。
趣味や好きな番組なんかも同じで意気投合した私達は違うクラスになってもいつも一緒に遊んでた。
たまに喧嘩しても次の日には忘れた様にお互い笑い合ってたっけ。
だけど、楽しい事っていうのは長続きしないんだね。
今から半年以上前、中学生になって日も浅い5月半ばにカナコは交通事故で死んじゃった。
同じクラスになれて良かったねと喜び合った矢先だった。
私と違って塾通いだったカナコは夜10時頃の帰宅途中に交差点で脇見運転の車に跳ねられた。
倒れた所に更に対向車線の大型トラックが走って来て……即死だったらしい。
以上の事は新聞やニュースで知ったことだけど事故現場の野次馬の中にクラスメイトの親がいたらしく、辺りは血まみれの凄惨な状況でカナコは胴体が切断されていた、ということをそのクラスメイトが喋ってるのを耳に挟んだ。
親友の死を話のネタにするその男子生徒は許せなかったけど、私には泣く事しか出来なかったよ。
それから一週間もしない内に、事故現場の交差点で上半身だけのカナコの幽霊が出るという噂が流れ始めた。
真夜中、上半身だけの女の子が飛び出た内臓を引きずりながら両腕だけで辺りを徘徊している、というのだ。
初めはクラスの男子が遊び半分で流した不謹慎な作り話かと思ったけど噂が隣のクラス、更に先生達の間でも広まり、ついに私の両親からもカナコの幽霊の話が出た時、私は考えを改めた。
どうやらカナコの幽霊は本当にでるらしい…。
小さい頃から霊感なんてまるでなくて火の玉すら見た事ない私だけど、カナコに会いたい一心で家族が寝静まった深夜、こっそり家を出て誰にも見つからない様に注意しながら事故現場に向かうようになった。
車の殆ど通らない、信号機だけが明滅する夜中の交差点。
ジュースやお菓子、花束なんかのお供え物が電柱にたくさん供えられていた。
たしかに幽霊が出そうな雰囲気はあったけど…
でも、霊感0っていうのはある意味悲しい。
何度足を運んでもカナコらしき幽霊に会えなかった。
友達だと思うのであれば成仏させてあげることですよ。
流れるような文章がうまい。
試験落ちろw
ヒトコワじゃないのこれ…gkbr
ヒドいね、友達とは思えない。エゴの塊です。親友が夜な夜な引きちぎれた身体で歩いているなんてね