九尾伝説、ルーツや正規の伝説はググれば出てくると思う。
これは、大叔母が子供の頃、大叔母の祖父に聞いた話。
大叔母の祖父の主観で書きたいと思います。
土地柄、キツネが多い地域だった。
4つ上の近所のねえさん、トキさんと、雪の中遊んでいた。
トキさんは、寺の生まれで、次の春で巫女さんになってしまう。
代々ある3つの家系から順番に婿を取り、子供を作るのがこの寺。
俺は、トキさんが知らない男と結婚するのが嫌だった。
それに、トキさんのお母さん、おばあちゃん、そのまたおばあちゃんも、
30歳になる前に亡くなっている。
巫女になるからいけないんだ、と、トキさんに巫女にならないように説得した。
トキさんは俺のことを好いていてくれて、寺から一緒に逃げることにした。
山に囲まれたこの村から逃げ出すには、雪が解けないといけない。
でも、雪が解けるのは春になって少し経ってから。
山を越えた隣の村に、俺の兄ちゃんが婿に行った。
隣の村まで行ければ…そう思った俺たちは、雪山を歩きだした。
案の定、すぐに迷ってしまった。
女の子のトキさんはかなり体力を消耗していて、もう動けそうにない。
洞窟を見つけ、俺たちはそこで暖を取った。
不思議だ。もう日が暮れたのに、洞窟の中は青っぽく淡く光っている。
ふと、父親に言われたことを思い出した。
「夜でも明るい洞窟があったら、赤い光だったら逃げなさい。
青い光だったら祈りなさい。狐の神様がいるから、でも姿を見てはいけないよ」
赤い光というのは、火のことで、山賊がいることを示すから、だ。
この洞窟は青い。
つまり、この奥に狐の神様がいるかもしれない。
姿を見てはいけないって言われてたが、もしかしたら道を知っているかもしれない。
洞窟の奥へ奥へと進んだ。
途中、少し開けた場所に出た。
切ねえ…
寺にも巫女が居てるんだ!
キツネは残忍ですね