【USAのUMA事件】-研修生 朽屋瑠子-
投稿者:kana (210)
「おまえら・・・ブタ箱行きだぞ?」
「ブタのケツを追い回してるだけよりマシです!!」
「わかった! おまえらがバカで、オレは本当にうれしいぞ!・・・それでは我が分隊はこれより追撃を開始する。全員弾を込めたら二手に分かれる。ジョーンズの隊はやつの後方から近づき一斉射撃、オレの隊は側面に回り込んで撃つ。
・・・いいかわかったか? わかったら、全員、走れ!! 走れ!! 走れ!! 」
一斉に走り出す分隊。ベヒーモスの後を追撃する。
「こちらビックフット、現在ベヒーモスを追撃中!これより射撃に入る。近くにいる隊は下がれ!!」
司令部はこの報告に混乱した。が、スミス大佐はニヤリとした。
「全部隊に連絡してくれ。情報部隊は撤収準備、第2フェーズへ移行だ」
分隊はまもなくベヒーモスに追いついた。まだ息があると言っても最初ほどの勢いはない。
そして部下に走れと命令したバーナード軍曹も、ややスピードが落ちていた。
実は昨晩、朽屋に蹴られていた膝が、今頃になって痛み出していた。
まず先にジョーンズの隊が銃撃を開始した。フルオートの火花と射撃音が鳴り響く。
弾丸がブチブチとベヒーモスの体に命中し、周辺に大穴を開けていく。
「イケル!当たってるぞ、手ごたえがある!!」
「思った通りだ、ベヒーモスはマーベリックの最初の攻撃で、バリアみたいなものが吹き飛んだんだ! よし俺たちも、側面から・・・どこが急所か判らんが、全弾ブチ込めばなんとかなる!!」
バーナード軍曹が最初に「フルメタルジャケットをブチ込む」と言っていたのが、ここへ来て実現したことになる。数分のうちに100発以上の弾丸をブチ込まれたベヒーモスは、とうとう沈黙した。
「こちらビックフット、状況終了」
スミス大佐の声だ「こちらサンダーランチ、あとは工作隊が始末する。マーベリックと合流せよ」
分隊はそのまま500メートルほど走って、マーベリックのいる狙撃地点までやってきた。
「大佐! ただいま帰投しました! 命令違反の件につきましては、いかようにもご処分を!!」
「シー、静かに、軍曹。そこで子供が寝ている」
「はぁ?」見ると、寝袋に包まれたマーベリックがいた。
「眠ってるんですか?」
kamaです。
朽屋瑠子シリーズも今作で7作目となりました。過去作品もお読みいただくと、より世界観が広がると思います。よろしくお願いします。
今回のお話は、朽屋瑠子シリーズの中でも最も長編となった【より子ちゃん事件】で瀕死の状態になった朽屋が復活する過程でアメリカに研修に行っていた時のお話になります。
朽屋シリーズは時系列がバラバラなのはご了承ください。
ロマンホラーって感じで、気軽に楽しんでいただければと思います。
また誤字などありましたらお気軽にお知らせください。
先生の久しぶりの力作を楽しみです。
↑kamaです。毎度読んでいただきありがとうございます。
朽屋瑠子シリーズは別に怪談としてぜんぜん怖くないし、なんなら中二病全開で、話も長くてYoutubeでも2回くらいしか朗読されたことありませんが、自分で書いてて一番楽しいです。
えぇ、これが自己満足の世界というやつです。
「沖縄のキャンプ座間」が気になってしまいました。沖縄なのか座間なのか。今後のストーリーに影響なければ流すのですが。
↑kamaです。設定のご指摘ありがとうございます。「沖縄」をはずさせていただきました。
実は最初に書いた原稿で、大佐が沖縄のキャンプシュワブにいた設定にしていたのですが、
ご存じの通りキャンプシュワブは米海兵隊の基地で、グリンベレーと海兵隊の協力関係があったという設定もできますが、やはり陸軍は陸軍ということで、途中で座間に変えたのですが、沖縄のまま進めてしまいました。ご指摘大変ありがたいです。またなにかおかしなところがあったら教えてください。
ラストの方でチョコバーを差し入れるマーベリックがかわいくてちょっと萌えました。
↑kamaです。コメントありがとうございます。萌えは大事ですね。
学業と訓練の二刀流の瑠子、カッコいい!
↑kamaです。コメントありがとうございます。でも、実質1年留年です。そこはテヘペロです。
ちょっと待て、16歳の太ももで三角締めって、ご褒美じゃねーか!
最近、射撃場という言葉をよく目にする。ひとつはこの作品。もうひとつは自衛隊のニュース。
出だしのセリフ、北斗の拳かと思った。