奇々怪々 お知らせ

心霊

rarkさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

記録
短編 2023/05/28 18:03 2,254view

「記録」

「誰かが、あなたの夢に、入り込もうとしている」
11月の上旬、僕はいきなり駅のロータリーで、声をかけられました。顔は見えなかったのですが、声的に中年の人って感じだと思います。

「は?えーっと、それって、僕に言ってますか?」

って聞き返したのですが、それも全く聞こえてないかのように、その人は、

「気をつけることだ」

と、言い捨て、どこかに行ってしまったんです。その時は、まぁ、変な人もいるよな。なんて思って、特に気にはとめませんでした。

その夜、夢を見ました。ああ、これ夢だなってわかる感じの、まぁいわゆる、明晰夢ってやつです。
場面は、学校の休憩時間のようで、クラスの真ん中で、いつもの仲の良いグループが楽しそうに話しています。僕はというと、教室の後ろのドアから、その光景を見ている感じ。
僕はそのグループのところに行こうとした時、後ろからポンッと両肩を叩かれたような気がして、僕が後ろを振り向こうとした時、目が覚めました。

いつもの天井。しかし、起きあがろうとすると、えらく頭が痛い。風邪でもひいたか?とも思ったのですが、5分くらい経つと、急に痛みはなくなりました。

その日から、僕は夢の記録、いわゆる夢日記をつけることにしました。自分でも、夢日記は危ないなんて言われていることは、知っているのですが、あの中年の人が言ったことも気になり、僕は夢の記録を付けることにしました。

ー以下、夢の記録。
11月7日、火曜日。怖い夢、というか奇妙な夢を見た。太陽の光が差し込んだような、やけに広く、明るい部屋に、ゲームセンターにあるような、コインゲームの台が何台も置いてある。あまりにも広すぎて、端が見えない。自分は来たことないはずなのに、何故か懐かしい気持ちになる。
すると、誰かに見られているような感じがする。よく目を凝らすと、20メートル先くらいだろうか。そのくらいから、長身の大男がこちらを見ている。そいつは、2メートル越えの長身で、黒いスーツを着ている。そして顔は真っ黒で顔なんてものは見えない。まぁイメージ的には、ロシアの都市伝説のスレンダーマンみたいな感じ。そいつと10秒くらい見つめ合った状態。そこで夢は途切れた。やはり頭は痛い。

11月8日。この日も夢を見る。僕が街中で一人で歩いていると、空から真っ黒いドロドロした、ヘドロのようなものが落ちて来た。当然僕は逃げるし、周りの人も逃げている。そして僕が走りながら、ふと横を見た時、あいつだ。昨日の夢で見たあいつが、じっと、ビルの隙間からこちらを見ている。そこで夢は途切れる。この日も頭が痛い。

11月9日、この日は普通の夢を見る。友達と帰っている時だろうか?友達と別れ、曲がり角を曲がった時、あいつだ。夢に出てくるアイツ。しかもそいつは僕がくるのを待っていたように、角でそいつと僕は鉢合わせになった。そこで、ビクッとして、目が覚めた。

ここまで記録をつけたこととして、共通点としては、そいつが僕に直接被害は加えないこと。そして、そいつが現れるのは、必ず僕が一人の時。難しい顔をしながら、学校から帰るため、駅のホームで電車を待っていました。するとその瞬間、僕の目にありえないものが映り込みました。僕が乗る駅は、ホームが三つあるのですが、一番奥のホーム。そこに、夢の中の大男が立っている。そして夢と同じようにそいつは、僕をじっと見つめている。

「まもなく列車がまいります。危ないですから、黄色い線の内側までお下がりください。」

いつも聞くアナウンスがより一層不気味に感じて来ます。息遣いも荒くなって、かなり動揺していた時、キィー!という音を立てて電車がホームに入って来ました。とにかくこの場にはいたくないと思い、僕は急いで電車に乗りました。

11月11日。やはりおかしい。現実にアイツがいるわけがない。しかし、今日も遭遇した。そして、最近は頭痛が酷い。

11月12日。この日も夢を見る。しかし、あたりは真っ暗で自分一人で歩いている。するといきなり後ろから、長身の大男、いつものアイツがが猛スピードで走ってくる。僕は本能的に、そいつから距離を取るため、猛ダッシュで走った。走っている途中、夢ということは自覚していたので、早く覚めてくれ!と何度も思った。が、それは虚しくも通じず、ソイツに追いつかれてしまう。腰を抜かして、座り込む僕の顔に、そいつは、自分の顔をヌッと近づける。そして、そいつは、ないはずの口で、低い男性の声でゲラゲラと笑い始めた。この時点で、僕はもう夢ながら限界だったと思うそして一通り笑終えたそいつは、さらに僕に顔を近づけて、

「誰かが‥あなたの夢に‥入ろうとしている」

と低い男性の声で僕に言った。あの中年の人が言ったセリフ。そしてまた笑い始める。そして最後に、
「誰かが…あなたの記憶を…操作している。」
そこで夢は途切れた。不思議と、頭は痛くない。
そして、この夢を皮切りに、そのような変な夢は見なくなりましたし、夢日記もつけるのをやめました。まぁただの夢と思いたいのですが、そうではないような気もします。
以上…
11月の記録。

終了

1/2
コメント(1)
  • 夢に出てきた男が現にあっているのでからただの夢じゃ無いですよね。

    2023/05/31/00:14

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。