八方睨み地蔵
投稿者:白と黒の旅人 (32)
しかし当時14.15のガキンチョの私はいらん好奇心を発揮し、翌日丑三つ時まで起きていたとは思えない元気さで学校帰りに隣町に凸り、あの後どうなったのか隣町の中学生に聞きに行った。
すると、彼女らは隣町の中のお社なのかお堂なのかよくわからない建物の中にしばらく入れられているらしい。
「せっかく来てくれたし、子どもたちにあって行け」と言われて中に案内されるとまぁ凄かった。注連縄が柱から柱へと縦横無尽に結われ、そこに札を大量に貼り付け、中心に出来たスペースに子どもたちを入れているといった様子。
声をかけると「Oの兄ちゃん…!怖かった〜!」と割とガチな泣き声が聞こえて来たので一体何があったのか聞くと「ウチの町、というか村の頃からか。あのお地蔵様に関わったあとは餓鬼どもが憑いてたりするもんでこうして子どもらを隠しとくんだ。じゃないと子ども達が食われるからな。あれに参加した大人達もこの中でしばらく過ごすんだが特に子どもたちはあの後更にここに居る。まぁ、坊主はそもそも、隣の神様呼ぶための目印になって貰っただけだから餓鬼共は寄らん。あの子たちはお地蔵様の代わりになったから救いを求めた餓鬼共がくるんだわ。」
結界の中にいる子どもたちはあの後の服装のまま、その中にいたらしく結構湿り気のある服で居た。
夜中に壁や天井を這い回る音などがして怖かったと話してくれた。
もっともその日の夜には全員出てくるらしかった。
今回のお話はここまで。
にしてもお地蔵様の「代わり」を子どもが務めるとはなにか怖さを感じる。
興味深い風習でしたね。
お地蔵様は大切にしなければいけませんね。
お地蔵様の役割なのですが道祖神としての役割、慈悲深い心で餓鬼道に堕ちた魂を救おうとする、道を通る悪いものを見張る、見ている先に悪いものが来ないか見守るなどがあります。他にも複数いると集団の圧力みたいな感じで結界になるんだとか。
このお地蔵様達はそう言ったお地蔵様の役割を利用したものかと
誰一人祟られなくて良かったです。