【白鳥凉子】というマッチングアプリの女
投稿者:ねこじろう (147)
特に容姿と年齢が実際とかけ離れていた。
いつかばれるのではないか?と彼女は気が気ではなかった。
体の関係も頑なに拒んでいた。
そして何よりも彼女の心を悩ませていたのは、所詮上條がぞっこんになっているのは「白鳥凉子」という愛未が作った仮想の人物であり、愛未本人ではないということ。
もちろん会社に行く時彼女は、いつものメガネをかけた地味な本来の姿で出かけるようにしていた。
だが上條と会う時は、「白鳥凉子」という女を完璧に演じなければないのだ。
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そして愛未に異変が生じ始めたのは、上條とお付き合いを始めてから一月ほど経ってからだった。
その頃の彼女は会社にいる時も家にいる時も気持ちが落ち着かず、精神は常に不安定になっていた。
原因は分かっていた。
【白鳥凉子】だ。
最初は単なる空耳の類いかと思った。
だが少しずつそれは、愛未の心の奥底からはっきり自己主張しだすようになる。
何か物事を決めるとき、「白鳥凉子」がいちいち口出ししてくるのだ。
仕事中もスーパーで買い物する時までも、あの白鳥の甲高い声が聞こえる。
「それはダメだよ、止めときなよ」
「こっちにしなよ」
「それ、私の好みじゃないし」
挙げ句の果ては愛未の人格を否定するような声も聞こえだす。
「だからあんたはいつまで経ってもダメなのよ。
だいたいあんたさあ、、、」
仕事中パソコンの前で愛未は両耳を塞ぐと、
「うるさい!だまれ~!」と叫び、上司から睨まれたこともあった。
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そんな状態で望んだ、上條とのデートでのことだった。
その日は午後から曇り空の下、隣町のとある商店街の歩道を二人、ウインドウショッピングをしながら歩いていた。
もちろん愛未は、いつもの白鳥凉子の容姿と服装をしている。
可愛いフリルをあしらった白いワンピースだ。
日曜日ということもあり、通りはカップルや家族連れが多かった。
「お腹空いただろう。そろそろランチでもしようか?」
演じるって疲れますよね。
そうですね、演じる対象と演者の見た目や中身がかけ離れればかけ離れるだけ、演者はくたびれるものでしょうね。
─ねこじろう
1回、三井のリハウス、しとこか。
⬆️🤣🤣🤣
そういえば、そうですね
─ねこじろうより
なぜか、エースを狙えと言うアニメを思い出した。
黒烏夏男です