四つ葉のクローバー (加筆修正版)
投稿者:kana (210)
初めてあいつに出会ったのは、私がまだ幼稚園に通っていた時です。
バスに乗って遠足へ行き、農家の畑で芋掘りをさせてもらい、
市民公園でピクニックのようにしてお昼を食べたりして楽しんでおりました。
公園は一面の原っぱで、シロツメクサ、いわゆるクローバーがたくさん生えているところでした。シロツメクサはその昔、荷物を送る時に商品に傷がつかないようにするための緩衝材として使われたところから「詰草」と呼ばれた植物です。
だからシロツメクサ、クローバーの原っぱはとても柔らかく、つい気持ち良くなってしまって、私は裸足でそこらを駆け回っていたのです。
ある子が「四つ葉のクローバーを探そう」と言い出したので、みんなで探し始めました。しばらく探して見つけた子もいれば、あきらめて別の遊びをする子もいました。
私も半ばあきらめて、みんなの所に戻ろうと駆け出した時、
ブチっという鈍い音とともに、何かを踏んだ違和感を感じました。
私は足元を見て驚きました。
そこには割れたガラスの牛乳瓶があり、
私はそれを思い切り踏んでしまっていたのです。
赤い血がドクドクと流れ出していました。
「痛い・・・」
足に心臓があるのではないかと思うような痛みが
ズン、ズンと鼓動と共に上に上がってくる感じがします。
血の流れる傷口と、割れたガラスの牛乳瓶を見ていると、ふと、牛乳瓶の横に血まみれになった四つ葉のクローバーを見つけてしまいました。
「あっ」と思い、私は思わずその四つ葉のクローバーを引き抜きました。
その瞬間、クローバーが「ぎゃぁぁぁぁ」と叫んだように聞こえたのです。
その時は不思議に思いましたが、なにかの聞き間違いだろうと思い、とにかく早く先生のところに行かなきゃと、片足をひきずって歩きました。
先生は他の幼稚園生のみんなと輪になってまだランチを食べていたのですが、血まみれの足を引きずっている私にみんな気が付き、一気に阿鼻叫喚の騒ぎとなってしまいました。
・・・今思うと、せっかくの楽しいランチの時間を私の血で汚してみんなを驚かせてしまったことを反省しています。
やがて救急車が呼ばれ、私は病院へ担ぎ込まれることになりました。
救急車の中はまるで木の板が1枚だけ敷いてあるかのような固い床で
道路のデコボコが全身で感じられるほどひどい乗り心地でした。
私は救急車に揺られながら、手の平にしまい込んでいた四つ葉のクローバーを見てみました。血まみれで、握りつぶされたクローバーは私に挨拶をしてきました。
「やぁお嬢ちゃん、痛かったかい?
でも何もボクまで捕まえなくてもいいじゃないか」
そんな風にちょっと文句を言ってきたのです。
私はそれをだまって聞いていました。
「よくしゃべる草だなぁ」と思いながら。
kamaです。本当に画像を付けるのができなくて、スイマセン。とほとほほ。
Kama先生、もしかしたら「何もの」かが画像の貼り付けを邪魔していると思います。考え過ぎですかね?
↑kamaです。怪談より怖いです。助けてください~~
画像が無くてもじゅうぶん話が面白いのでオッケーです笑
↑kamaです。そう言っていただくと大変ありがたいです。