友達が送ってきた廃墟巡りの動画
投稿者:N (13)
俺はこれが最後のチャンスだと思い「B-----!」と全力で叫んだ。
血管がはちきれるかと思った瞬間、血の気が引いてサーっと頭の芯まで冷めていく。
あ、血管切れたかもと思った瞬間、Bの「二階かー?」という気の抜けた声を聞いたら安心したのか眠るように意識が遠退いていった。
そして次に目を覚ますと、Bが俺の体を揺すっていた。
「おい、〇〇、起きろって」
「…B?」
頭が少しくらくらするが、俺は二階の部屋の中で倒れたみたいだ。
俺がここに居るという事はBがあの集団から助けてくれたのだろうか。
俺が頭を押さえながら起き上がるとBが「おい、大丈夫か?なんか叫んでたけど」と不安そうに見てきた。
「…Aは?」
ひとまずAも無事なのだろうかと確認してみると、Bが俺の横を指さした。
Aも俺と同じように倒れたのか、すぐ隣で仰向けに寝ていた。
「あいつらは?」
「あいつら?」
次に部屋を覗き込んでいた奴らや、部屋の中にいた奴らをどうしたのか聞いてみると、Bは首を傾げた。
気を失う前にBが来てくれたかと思ったが、記憶違いだったのかと思い、Bに「あれ?Bが助けてくれたんだよな?」と聞くと、Bは「何から?」と質問を質問で返す。
「俺、どのくらい気を失ってた?」
「たぶん、五分もしないくらい?」
Bの話では、車で待機していると尿意を催したので車から降りて小道で用を足していたそうだ。
そこで何か俺たちが向かった脇道の方から小さいが俺やAの悲鳴が聞こえたから気になって廃墟まで登ってきたと言う。
玄関が開いてたので俺たちがこの中に居ると思ったBは、とりあえず他人が居たらまずいと思って俺たちが居るかどうか玄関から声を掛けると、俺の全力の叫び声が聞こえたから二階まで上がった。
そしたらこの部屋で倒れている俺とAを見て「大丈夫かー?」と駆け寄ると、本当に気を失っているようだったから今まで体を揺すって起こそうとしていたそうだ。
「いや、マジで救急車呼ぼうかと思ったわ」
Bは半笑いでそう言ってたが、俺はBが二階に上がるまでに人とすれ違わなかったのかと疑問に思った。
「他に誰かいなかった?」
「え、いなかったけど…?」
マジか…。
俺が気を失う前、Bが二階に上がるまで誰ともすれ違わずにすぐにここまで来たことが本当なら、俺とAが見たのは人間ではなく、幽霊という事になる。
そうなると、俺のラインに動画を送ってきたのも幽霊という事になるが…。
それから俺はBと一緒にAをたたき起こすと、Aは「はえっ?あれ…?」と記憶も朧気にAは部屋の中を見渡し、眉間に皺を作りながら「あれ?」と不思議そうに首を傾げてた。
大作ですな
読みやすくて一気読みでした
12ページもあったから読むか迷ったけど読んでよかった
夜中に一気読み!面白かった!
想像してただけで心臓が早く波打つのがわかった。
長いのもあってか結構怖かったわ(笑)