【古代人事件】-事件記者 朽屋瑠子-
投稿者:kana (210)
やがて日は落ち、朽屋が間借りしている会社の従業員たちもぞろぞろ帰って行く。
公園周辺は丘になっているせいもあって早くも暗闇が支配していた。
愛用のブライトリングのマグカップでコーヒーを飲みながら、朽屋は暗視モニターを見つめる。
「ん?」やはり動いた。小石が敷き詰められた横穴墓に、霊気の波紋が広がっているのを朽屋は見逃さなかった。
青い波紋の渦の中心からゆっくり手が伸びてきて、やがて頭が現れる。頭と言っても、藁(わら)のようなもので編んだ蓑(みの)を頭からすっぽりと被っており、顔が見えるわけではない。これまでの目撃証言では真っ黒に見えたと言われていたその姿だか、監視カメラに映るその姿は大量に浴びた返り血がどす黒く変色したように見えた。もしかすると、その蓑は、返り血を浴びてもいいように着た戦闘服なのかもしれない。
朽屋は公園の広場にある小屋の屋根部分に隠していたドローンに指示を出し、発進させた。
上空からやつの動きを追う考えだ。常にやつの動きを追うので、林の中に隠れてもドローンの灯りを頼りにやつの居場所を特定できる。・・・そう思っていた。が、横穴墓から出て実体化したヤツは、空を飛ぶドローンを見つけるなり体を上空まで伸ばし、持っていた鉈のような武器でドローンを叩き落したのだ。
「しまった、やられた・・・」(そういえば会社員からの目撃情報に、体がどんどん伸びたという話があったな。まさかドローンのいる高さまで伸びてくるとは思わなかった・・・)
「仕方ない・・・遠距離狙撃でもしようかとも思ったけど、話し合いに行きましょうかね」
朽屋は事務所を出て、自分のジムニーのところへ向かった。屋根の上に設置してあるルーフキャリアの1本を取り外し、それを手にしたまま公園へ向かった。
公園に近づくにつれ、朽屋は禍々しい殺気のようなものを感じていた。
・・・・・・
昼間、朽屋から取材を受けた会社員の彼は、朽屋の忠告に従って今日こそは早く帰ろうと思っていたが、やっぱりなかなか残業が終わらない。いまだ帰れずにいる。
「・・・そうだ、朽屋さんに牛丼差し入れなくっちゃ!」
そう思い、仕事の手を休めていったん駅前の牛丼屋へ向かう。
「あれ、今日は混んでるな・・・」
見ると牛丼屋の前に旗が立っており、150円引きのキャンペーンをやっている。
そのせいで普段来ないような家族連れもおり、
「よーしパパ特盛頼んじゃおうかな~」なんて言ってる。
(ふざけんなーー!、150円ごときでこの混雑か・・・150円やるからそこどけ!)
・・・と内心思ったが、ゴルゴのように冷静に、静かに注文の列に並んだ。
・・・・・・
「こんばんわ~黒い人さん」
ざわっ、と音を立てて振り向く黒い蓑の男。
「◎$Ψ×△¥●&?#И!」
「この地の命脈たる精霊の名において、迷える者の魂の声を聞かせよ」
朽屋は小さな声で呪文のようなものを唱え、指で軽く空を切った。
kamaです。
最初、違う作品とくっつけたまま投稿してしまって17ページくらいになっててビビりました。
現在修正して9ページです。よろしくお願いします。
このお話の前日譚として、私の作品「黒くて伸びる人」を御一緒に読まれると、おもしろさも倍増です。また、「事件記者-朽屋瑠子ー」シリーズはこれで三作品目ですので、合わせて読まれると世界観が広がって楽しいと思います。
よろしくおねがいします。
kamaです。
読み返すと改行位置以上とか、誤字脱字や「」で閉じられてなかったりとさんざんで、
何度も編集かけました。読んでる途中の方、読みづらくて大変申し訳ありませんでした。
以後も誤字脱字などありましたらお知らせください。
よろしくお願いします。
あ、9ページから編集して8ページに減らせました。
怖いというより楽しいです
↑kamaです。ありがとうございます。
楽しくて何よりです。
ネタが豊富な先生の事ですから次回作に期待します。
↑kamaです。ありがとうございます。
ちょっとずつ、イロイロ出していきますのでお楽しみに。
これ、最後、クッチャルコさん、やってますねぇ。
やってますよねぇ、コレ?彼と。
楽しく読ませてもらいました。続編が楽しみです。
楽しく読ませた頂いたんですけど 失礼ですが読んでる途中に中二病だt((殴
↑kamaです。朽屋瑠子シリーズはネタ満載でお送りしております。楽しんでください(笑)