賃貸の一軒家に引っ越した結果
投稿者:N (13)
長編
2022/12/17
23:03
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そう言われればいつも楽しそうに泣いていた事を俺は思い出す。
妻に聞いても、いつもキャッキャと楽しそうだったと言っていた。
住職にラトルの事を話せば、こういった身近なものの依り代となって水子が集まりやすいとも言われた。
あの赤ちゃんは俺達家族と遊びたかったのだ。
そう思うと唐突に俺達が悪いことをしているのではと思ったのだが、住職は供養してあげるのが生きている者の務めですと諭してくれたので、俺達は正式に住職に供養をお願いした。
その時に、住職に説明する為に封印した二階からわざわざ持ってきたラトルも手渡した。
住職は「お預かりします」とラトルを引き取ってくれた。
そして供養をしてもらって以降、あのクローゼットから聞こえていた赤ちゃんの泣き声はピタリと止んだ。
今でもクローゼットを開くたびに当時の出来事が想起して少し怖いのだが、その反面で切ない気持ちにもなる。
だが、この体験のおかげで俺は妻も我が子もしっかり守っていきたいと改めて思えるようになったので、悪い事ばかりじゃないと思っている。
あの赤ちゃんもしっかりと成仏できている事を願うばかりだ。
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