肝試しのあとに起きた不可解な現象
投稿者:こはる (15)
今年の夏、ある有名なお寺を訪れた時のことです。
そこでは夏のイベントとして、境内を使った肝試しを開催していました。お寺がそのようなイベントを主催するのはとても珍しいので、興味本位で家族で行ってみたのです。
チケットを購入すると本堂に通され、そこで死後の世界について話を聞きました。時刻は夕方5時を周り、少しずつ日が傾いていました。
それから静まり返った院内と境内を歩きました。セミの声と私達が歩く足音だけが聞こえました。お化け屋敷のようにお化けが隠れている訳ではなく、ただお盆を迎えて魂が帰ってきた境内を歩いて御先祖様を感じる事を目的としていました。
私達は不気味さを感じながら境内を回りきりました。そして、帰ろうと車のエンジンをかけたのですが何故かかかりません。
何度試してもエンジンはかからず私達は怖くなりました。すると境内の方から「カーン、カーン」という音が聞こえてきました。
鐘や木魚とは違う音でした。その音は少しずつこちらに近づいてきて、やがて鳴り止みました。私は車から降りて音の鳴っていた方を見てみました。
するとそこにはお菓子の缶が落ちていたのです。「さっき車に乗るときにはなかったのに何故?」、私は怖くなって車に戻りました。
そして主人にその缶のことを話すと、主人は缶を見に車から降りていきました。「ただの缶だったよ」と言って主人は車に乗り込み、再度エンジンをかけると今度はすんなりと動きました。
私達は缶の謎を抱えたまま家に帰ってきました。そして自宅の駐車場で車から降りた時、主人が「うわっ」と叫びました。
何と主人の開けた運転席側の扉に大量の土が付いていたのです。他の場所には全く付いておらず、そこだけとても汚れていました。
明らかに不自然な付き方でした。私は怖くなり、自宅から塩を持ってきて自分たちと車にかけてお清めをしました。
それからはおかしなことは何もおきていません。けれど、あの缶と土の謎は今だにわからないままです。
お寺で肝試しやって騒いだから脅したに違いない。