もったいないおばけ
投稿者:こはる (15)
これは私が幼稚園児だった頃の話です。
その日私は夕飯に出たおかずが嫌いだったため、ほとんど残してしまいました。
そして夜、家族みんなが寝静まった午前0時前、私は何故か目を覚ましてしまいなかなか眠ることが出来ませんでした。
まだ幼稚園児です、とても眠いのに全く眠れずただ時計の秒針が動く音だけが嫌に耳につきました。
しばらくして時計が0時ちょうどを指した時、突然3体の白く透明な丸い物体が時計の中から現れ、私に向かってきてこう言いました。
「おばけがでたぞ」私は恐怖の余り逃げ出そうとしましたが体が全く動きません。
さらには目を閉じることも息をすることもできずだんだんと近づいてくるそのおばけたちを見ることを強要されました。
息が出来なかったため本当に死ぬかと思いました。
隣で寝ていた母を起こしたくても体が言うことを聞きません。
もうこれ以上息をしないと本当に死んでしまう、子供ながらに最後の力を振り絞って息をする努力をしました。
するとフッと体が軽くなり息ができるようになったのです。
それと同時に3体のおばけ達は時計の中に帰っていきました。
すぐに母を起こしたった今おこった出来事を話すとそれは『もったいないおばけ』だと話してくれました。
母も幼少期、ご飯を残した夜に同じおばけに逢ったことがあると言っていました。
この話を友人に話しても誰も信じてくれません。
子供が見た怖い夢の話と言って笑われますが、あの時聞いた時計の音、暗闇に浮かぶ3体の白いおばけ、息が止まる苦しさは今でもはっきりと覚えています。
夢なんかではありません。
『もったいないおばけ』は存在して、今もどこかの家の子供達を驚かしているのです。
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