美術室の少年
投稿者:こはる (15)
私が中学生の頃のちょっと怖い体験談です。
当時13歳だった私。
小学生の時に購入した怖い話集を再び読んだ私は、クラスの仲の良い二人と一緒に、怖い話や怖いゲームで盛り上がっている時期がありました。
その日も授業中にも関わらず、自分の知っている怖い話を話しては、「なんか寒くね?」なんて勝手に怖がっておもしろがっていました。
その日は6時間目に美術の授業があり、美術室に移動しました。
美術室では4人1組のテーブルにつくのですが、怖い話を楽しんでいた私たちの他に、山口さんという女の子が加わりました。
山口さんは、大人しめな感じの子で、普段からそれほど関わりのない子です。
ただ、特別仲が悪いわけでもなかった為、私達は山口さんも巻き込んで怖い話を続けました。
絵を描く授業だったので、皆手は動かしながら、でもヒソヒソと怖い話を続けます。
普段口数が少ない山口さんは、特に自分から話をする事はありませんでしたが、興味深そうに聞いてくれていました。
しかし、授業が終わりに差し掛かる頃、山口さんは私たちに言ったんです。
「あんまり、怖い話はしない方がいいよ。寄ってきちゃう。」と。
私達は、「?」な感じで山口さんを見つめていましたが、山口さんは美術室の奥の部屋を指さして言いました。
「あの部屋の奥の方、じっと目を凝らしてみてごらん。男の子がいる。」
みんなでじっと目を凝らして見てみましたが、何も見えないので、「またまた~!」なんて笑っていると、再び山口さんは言うのです。
「30秒ぐらい、瞬きしないで見つめてみてごらん。見えてくるよ。」と。
私達は30秒以上、じっと部屋の奥を見つめてみました。
「ぅわっ!」と友達から悲鳴が上がり、私もじっと見つめ続けると、まさかですが見えてしまったんです。
物陰にひっそりと佇む男の子の影。ちゃんと洋服の色までうっすら見えて。
息を飲んで、状況を把握した後は、怖い話を再び続けようとする気にはなれませんでした。
後から聞くと、山口さんは霊感が強いそうで、よく見えてしまうんだとかで、怖い話も良いけど気を付けてね、と注意をされました。
中学生の時のちょっと怖い思い出です。
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