深夜の上映会
投稿者:ねこじろう (154)
長編
2022/09/03
11:34
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どれほど過ぎた頃だろうか。
奇妙な音で俺は意識を取り戻した
首だけを起こして、辺りを見回す
誰もいない薄暗い部屋はしんと静まり返っている。
点けっぱなしのテレビがボンヤリ光を放っているのが、どこか不気味だった。
俺はテレビの電源を切り、リモコンで室内灯を間接照明にする。
壁の数ヶ所にあるダウンライトが、パッと点いた。
部屋の中が柔らかい朱色の灯で満たされる。
傍らの携帯を眼前にかざした。
午前3時2分
─まだこんな時間か?
喉がからからだったから水でも飲もうと半身を起こし何気なくテレビ画面に視線を動かした、
その時だ。
変な違和感を感じた俺はもう1度、真っ暗な画面を見入った。
画面中央に映っている寝癖頭の俺
その右上に、、、
何かが映っている!
意識を集中させる。
─何だろう?、、、
次の瞬間、腰から背中にかけて、冷たい何かが突き抜けた。
一気に心拍数が上がる。
それは若い女の顔、、、
よく見ると、微かに目元や口元が動いている。
DVD はずっと前に終わっている
ということは、、、
俺は肩を震わせながらゆっくりと後ろを振り返った。
そして目線を薄暗い天井の辺りに動かしていく。
「う、うわあ!」
思わず叫びながら後ろ側に倒れた
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昭和風名前設定に、作者さんの高齢者感が出ていて面白いです。
もし、若い方だったらごめんなさい。