絣のもんぺ姿の女性
投稿者:pams (61)
6年前の事です。
祖母の家は車で山道を3時間半程走らないとたどり着かないような奥地にあります。
昔は近所にたくさん人が住んでいてお店もあったそうですが、過疎化が進み今では祖母の家と数百メートル先に2軒家があるだけです。
こういう場所でも一年に一度、地域の掃除があり数人が集まって草を刈ります。
私は以前、高齢な祖母に替わってこの掃除に参加したことがありました。
その時は、お爺さん1人お婆さん1人と私の3人。
お爺さんもお婆さんも初めて見る方でした。
「掃除と言ってもその辺の草を刈るくらいだよね」と思っていましたが、田んぼのあぜ道から始まり廃校の小学校の校庭、まだまだ2人はずんずんと進んでいきます。
高齢とは思えない程の体力です。
私もようやく追いつき顔を上げた時、古いお社が視界に入りました。
何度もこの辺に来ているのに初めて見たのです。
鬱蒼とした草に埋もれて今まで見えていばかったらしく、草を刈ると突然現れたお社。
お爺さんとお婆さんは顔色一つ変えず周りの草を刈っています。
私もそのまま黙々と刈った草を袋に詰めました。
ふと視線を上げるとお社の向こう側にも草を抜いている女性が見えました。
比較的若く、絣のもんぺ姿でとても色白な人です。
しかし見た瞬間「まずい」と思いました。
この世の人ではないと感じたのです。
気付いていないふりをしてそのまま掃除を続けました。
ようやく終わり再び目をやると、あの女性はさらにお社の敷地のさらに奥でかがんでいました。
そこは草は生えておらず一面砂利。
ですが、女性は変わらず鎌で草を刈る仕草をしています。
お爺さんが「終わろう。
刈った草はこのまま置いといてええから」と言い、3人で来た道を帰っている時、私は後ろを振り返りました。
その女性はまだ砂利場所で同じ仕草をしています。
誰にも言う事ができず帰りました。
一体彼女は誰だったのか未だに分かりません。
一緒に草取りをしている 爺さんと婆さんがアッチの人? と思って読んでいたら 更に+があったとは。
しかも 爺さんは知っている感じ。
驚くべきは、老人二人の体力、田舎とはいえ凄すぎる。