まだまだ事故物件に住んでた時の話
投稿者:ジョンガリ (8)
バイトを心ここにあらずでこなし、バイト終わりにAと共に俺の家に戻るとパツン!と音をたてて電球が1つ切れた。
ビビりながらも電球を替えた後、コレどうしようかと二人で頭を抱えていると、ふと、Aが「これ封印しちゃうとかどうっスか?」と言い出した。
何をバカな事をと俺は思ったが、何故か日本酒には神聖な力があると俺とAは二人で思い込んでいたため、Bに連絡して日本酒とあるものをもって来させた。
20分後くらいにBがノックもせず部屋に入ってきたため、俺もAも飛び上がるほど驚いたが、必要なものはちゃんと持ってきた様だった。
俺が持って来させたあるものとは、Bは東京育ちの実家暮らしのため、畳の部屋にある障子の紙を一区画分持ってこいと言ったのだった
Aに障子紙をハサミで正方形に切らせている間に俺は小田原城で買った酒枡を用意し、そこに例の石と日本酒を石が浸るまで注ぎ、塩をひとつまみ振りかけた。
そしてその上から障子紙を被せ輪ゴムで止めて電子レンジの中にそれを入れ、レンジの蓋をガムテープで開かないよう封印したのだった。
とりあえずこれでどうにかなるかなぁと淡い期待をしたが、結果は上々でその日以降怪奇現象は起こらなくなった。
そこから約一週間後、電子レンジの使えない生活にも慣れた頃にAとBがやはり俺の家でとぐろを巻いていたのだが、そういやあの石どうなったんスか?という話になり、ついに封印解くことになった。
ガムテープを剥がしてレンジの中から溢れないよう慎重に酒枡を取り出して電子レンジの上にのせた。
三人で固唾を飲んで障子紙を外すと、中の日本酒が血の様に赤く濁っていた。
俺たちは言葉もなく互いに顔を見合わせたが、沈黙を破るように俺は酒枡の中身を石ごとトイレに流した。
俺は石を流すのは流石にマズイかと思い、スッポンで石をリバースさせて割り箸でインターセプトした。
びっくりしたのだが、赤かった石は少し白く濁った水晶みたいに色が抜けていた。
AとBが酒枡を日本酒ですすぎ、スポンジに洗剤をかけて磨いている時に、俺は洗面所でその石を水と石鹸で洗い、トイレットペーパーで水気を取っていた。
色が抜けた石を見て俺たちは、なんとなくもう大丈夫だろうという気持ちになったのだが、一応、Cと共に石を捨てに行った川に三人で赴き川に石を投げ捨て、帰宅後、俺たちは勝利の美酒に酔いしれたのだった。
その後は、俺はもちろんのこと、怪奇現象にあったCもAも特に何事も無く、俺たちは再び青春を無為に過ごす日々に戻ったのであった。
今回のお話は以上となります。
今までの話の中でもまぁまぁの文字数の長編になってしまい、申し訳ありませんでした。
ここまで読んでくださった方、どうもありがとうございます!
それとコメント下さる方たちにもお礼を言わせて下さい。とても励みになります!
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
思い出したらまた書きます。
ではまた。。。
今回が一番おもしろかったです!
面白怖くてジョンガリさんの作品、大好きです!次回も期待してます
龍角散だった俺って何かと思ったけど留学生ってことかな?
前の前の作品で、著者の大学では「留年確定さん」を略して「龍角散」と呼ぶと書いてありましたよ!
龍角散>ありがとうございます。過去の話から読んでみようと思います。
この人の話は面白いなぁ
笑いどころが多くて怖さは無いけどw