まだまだ事故物件に住んでた時の話
投稿者:ジョンガリ (8)
戻ってからは怪奇現象はやっぱり起きなかったため、翌朝、といっても川に石を捨ててから3時間後くらいに俺はCの家を出て自分の家に帰りシャワーを浴びてもう一度寝た。
その日の夕方、昨日の夕飯用に買ったチャーハンをモサモサと食べているとCから電話がかかってきた。
「ジョンガリさん、やっぱりあの赤い石が原因だったみたいです……」と暗い声色でCは俺に告げる。
俺は電話越しのCに「怪奇現象止まっただろ?」と言いながらチャーハンを口に運んでいたのだが、俺の思いとは真逆の言葉を告げられた。
「いえ…川に捨てた筈なのに玄関の前に落ちてるんですけど……」とCは言った。
スプーンを動かす手が止まった。
Cは とにかく怖くて部屋に入れないから、今すぐ大学の学食に来い と言い電話を切った。
こいつ後輩だよな?と思いながら俺は食いかけのチャーハンを冷蔵庫に戻して大学に向かった。
大学の学食には自習してる生徒がたくさんいたため、探すのに苦労したのだが人が多い方が安心できるという気持ちはわかるのでプレーリードッグの様にキョロキョロしながら俺はCを探した。
Cは二人用の席、通称カップル席に座っていて俺は他人に変な勘違いされやしねぇか?という思いを押し殺し、断腸の思いで席についた。
俺が席につくのも早々に、Cはこれなんですけど…とポケットから例の赤い石を取り出した。
なに持ってきてんだよ!と思ったが、昨日捨てた石と形が全く一緒で俺は言葉が出なかった。
Cは憔悴しきった顔をしていたので、しょうがないからその石は俺が持って帰る事にした。
こんなキングギドラみたいなイカつい石を一秒だって持ちたく無かったがしょうがない、俺の部屋のゴジラとしのぎを削ってもらおうと半ば諦めていた。
とりあえず、俺が石を持ってるからCの部屋に俺が行っても意味がないことを告げ、Cには他の友達を家に呼んで夜を過ごせと言い、俺たちは解散した。
学食を出て帰路についていた俺は、バイトしている後輩(前作のA)に面白いものがあるからバイトが終わったら来いとLINEを入れ、もう一人の後輩(前作のB)に電話して二人で宅飲みすることにしたのだった。
Bに事の顛末を話し、二人で机の上に置いた石を眺めながらカルーアミルクを作って飲んでいた。
Bと昨日俺が見せられた面白くなかった映画の話で盛り上がっていると、バイトあがりのAがノックもせず部屋に入ってきた。
Aにも事の顛末を語ると、Aはそれ俺にくださいよ!と言ってきたため俺とBは顔を見合わせてAの正気を疑った。
俺としても欲しいなら別にいいぞと石をAに渡し、その後は飲みもそこそこに24時には解散した。
翌日、俺は大学に赴き授業に出た後、バイトの時間まで部室でYouTubeを見ているとCが訪れてきた。
Cは昨晩は全く怪奇現象が起きなかったとキラキラした顔で言っていた。
調子の良い野郎めと俺は思ったが、バイトの時間が迫って来たため、なにかあったら連絡しろといって大学を後にした。
その日はAとシフトが被っていたのだが、Aは俺が来るなりポケットから例の石を出して泣きそうな顔をしていた。
なに持ってきてんだよ!と俺がAに突っ込むと、Aは昨日の夜、寝るときに誰かに顔を覗かれたと俺に告げた。
それだけじゃなく、物が独りでに落ちたり電灯がチカチカしたとりと、とにかく想像以上に怖いとの事であった。
ジョンガリさん、やっぱこれ返していいですか と泣きそうな顔でAが言うため 再び石は俺のもとに戻ってきた。
今回が一番おもしろかったです!
面白怖くてジョンガリさんの作品、大好きです!次回も期待してます
龍角散だった俺って何かと思ったけど留学生ってことかな?
前の前の作品で、著者の大学では「留年確定さん」を略して「龍角散」と呼ぶと書いてありましたよ!
龍角散>ありがとうございます。過去の話から読んでみようと思います。
この人の話は面白いなぁ
笑いどころが多くて怖さは無いけどw