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呪い・祟り

足が太いさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

怪しいチェーンメール
長編 2022/05/11 21:40 4,004view
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唖然として見ていると、AはBに近寄り、「B、何してるの」と声をかけました。
Bはそこでやっと、私達がいたことを知ったというように振り向いたのです。

しかし、Bの顔を見て驚きました。
以前見たことのあるBの顔ではなく、見知らぬおばあさんの顔だったからです。
Aは「きゃ!」と、驚いた声を上げ、素早くBから遠のきました。
私はAに「早く、早くここから逃げよう」と声をかけ、一緒に走って墓地の入口まで逃げようとしたのです。
しかし、その前にAはBに腕を掴まれてしまいました。
Aは必死に腕を振って、「離して、離して!」と叫びますが、BはAの腕を片手でがっちり掴んだまま、じぃっとその様子を見ています。

私はAとBに近寄り、Bの腕を無理やりAから引きはがして、Aを連れて走って墓地の入口まで逃げました。
墓地を出て、自転車を取るのも忘れ、Aと2人で50mくらい走って逃げたのです。

しばらく走って、Bが追いかけてくる様子がなかったので、立ち止まって「怖かったね」と言い合いました。
私もAも墓地まで自転車で来ていましたが、取りに戻るのが怖くて、明日日中に取りに行こうということになり、その日はそのままそれぞれの家に帰ったのです。

翌朝も学校で、「Bの顔が知らないおばあさんのままだったらどうしよう」と思いながら恐々登校しました。
幸いと言っていいのか、Bはその日学校を休んだので、会うことはありませんでした。

放課後、Aと一緒に昨日の墓地へ、置き忘れていた自転車を取りに行きました。
昨日のことが怖すぎて2人とも話題に出したくなくて、違う話しばかりしていたのを覚えています。

墓地につき、墓地の中を見ないように自転車を取って、そのまますぐに家に帰りました。

それ以来、あの墓地には近づいていません。
Aもあの体験で懲りたのか、あの墓地の話題は一切出さなくなりました。

そしてBですが、学校を休んだ翌日から半年くらい休み続け、そのまま学校を辞めて遠くへ引っ越したようなのです。
あのチェーンメールの送り主は一体誰で、私達にあの墓地へ行かせて何をさせたかったのでしょうか。
そして、切り倒されたはずの杉の木が、どうしてあの夜だけあったのでしょうか。
Bは、なぜ杉の木に藁人形を打ち付けるなんてことをしていたのでしょう。

考えても、未だに真相は分かりません。

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